パナソニックはアップデータブルな企業になれるのか
大手製造業の2019年4〜6月期の決算発表が7月末〜8月上旬にかけて続きました。米中摩擦による中国経済減速の影響が続いていることもあり、その発表の多くが冴えない内容となりました。とはいえ、トヨタ自動車のように増収増益をきっちり確保している企業もあるので、全面的に悪いというわけでもないようです。
今回の決算発表で私が直接取材したパナソニックは、2019〜2021年度の中期戦略の発表段階から示していた通り、今四半期も中国経済減速の影響により減収減益でした。特にテレビ事業はかなり厳しい状況にあるようで、2019年秋以降にもかなり踏み込んだ構造改革が行われる可能性は高そうです。時代劇「水戸黄門」のCMなどでおなじみの「明るいナショナル〜」というフレーズと松下製テレビを刷り込まれた世代としては「そういった時代なんだな」と感じざるを得ません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫MONOistメールマガジン編集後記バックナンバー
- パナソニックが狙う“暮らし”と“現場”、2つのプラットフォーマーへの道
「Society4.0にうまく適合できなかった」と危機感を示すパナソニック。ソフトウェア開発体制の強化など、Society5.0時代に向けてさまざまな変革を進める。パナソニックが新たに変革すべきところ、強みとして残すべきところはどういうところになるのだろうか。パナソニックのイノベーション推進部門を統括する専務執行役員である宮部義幸氏に話を聞いた。 - 「人の幸福から離れて、生き残る会社はない」パナソニック津賀社長
パナソニックは2018年10月30日、同社の100周年を記念して行う初めての全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月2日)を開催。基調講演として同社の代表取締役社長 津賀一宏氏が登壇し「パナソニックは家電の会社から、暮らしアップデート業の会社になる」と宣言した。 - パナソニック「HomeX」が示す、これからの製造業が生きる道
パナソニックは100周年を記念して開催した初の全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日)を開催。本稿では「HomeX」について説明したパナソニック ビジネスイノベーション本部長の馬場渉氏の講演内容を紹介する。 - パナソニックがソフト開発体制強化へ「製品を常にアップデート可能にする」
パナソニックがイノベーション戦略について説明。同社 専務執行役員の宮部義幸氏は「当社が新たに打ち出した『くらしアップデート』の実現に向けて、ソフトウェア起点のビジネスモデル変革に挑戦する」と述べ、クラウドと連携して機能を常にアップデートできるような製品を実現できるソフトウェア開発体制の構築を急ぐ方針である。 - パナソニックがテレビ事業の構造改革へ「赤字を出しながら続けるものではない」
パナソニックの2019年度(2020年3月期)第1四半期決算は、2018年度後半から続く中国市場の市況悪化の他、欧州市場向けの車載機器の開発費増加や、テレビ事業の赤字転落などにより減収減益となった。