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さまざまな幾何公差【その1】〜その定義や例、測定方法について〜:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(6)(3/3 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第6回は“具体的な幾何公差”について取り上げる。
1-2.平面度公差(Flatness)
公差の定義
公差域は、「t」だけ離れた平行2平面によって規制されます。
例
実際の表面は、「0.1」だけ離れた平行2平面の間になければならないことを図面で表しています。
測定方法
- 3次元測定機の接触式プローブにて多点測を行います
- 製品を定盤に置き、必要な数のポイントを測定し、そのバラツキが最小となるように調整します。「調整した値の最大差」が平面度公差の値を示します。バラツキが最小となるように調整するには、製品の下に高さ調整できるジャッキを置いておき調整する方法と、測定値の座標から最小2乗法(※)によって算出する方法などがあります
※ 最小2乗法とは:測定値を何らかの直線や曲線の式で近似して表したいときに使う方法。Excelには「LINEST」という関数が用意されているので、これを使用すると便利です。
1-3.真円度公差(Roundness(Circularity))
公差の定義
対象とする横断面において、公差域は「t」だけ離れた「同軸の2つの円」によって規制される。
例
円筒表面の任意の横断面において、実際の半径方向の線は、半径距離で「0.1」だけ離れた共通平面上にある同軸の円と円との間になければならないことを、図面で表しています。
測定方法
- 真円度測定器を使用します
- 簡易的な測定方法では図に示すようにVブロックに部品を設置し、これを回転させダイヤルゲージを使用して測定する方法もあります。ダイヤルゲージの振れの2分の1が真円度となりますが、その測定精度は真円度測定器に及ぶものではありません
次回も引き続き、幾何公差の定義と例、測定方法について解説します。筆者は機械設計者として、長野県工業技術センター主催の「幾何公差セミナー」に参加した経験があります。ここでは、幾何公差の測定方法について学ぶことができました。「なぜその幾何公差を設定するのか」「どのように幾何公差を測定するのか」については、設計者といえども、その部品の製作方法を理解する上で知っておいて損はありません。(次回に続く)
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