産業用ネットワーク規格「CC-Link IE TSN」対応のSDKを発売:組み込み開発ニュース
図研エルミックは、産業用ネットワーク規格「CC-Link IE TSN」対応のソフトウェア開発キット「Ze-PRO CC-Link IE TSN(Remote)」を発売した。新しい通信技術を機器に効率よく実装できるため、スマートファクトリーの構築を促進する。
図研エルミックは2019年7月12日、産業用ネットワーク規格「CC-Link IE TSN」対応のソフトウェア開発キット(SDK)「Ze-PRO CC-Link IE TSN(Remote)」を発売した。販売予定価格は350万円からとなる。
CC-Link IE TSNは、EthernetベースのTSN(Time-Sensitive Networking)技術を採用したネットワーク規格。異なるネットワークが同一配線上で混在できるだけでなく、リアルタイムで安定した制御通信、異常発生時の高精度な原因解析、予知保全が可能で、スマートファクトリーの構築に適している。
Ze-PRO CC-Link IE TSN(Remote)は、CC-Link IE TSN規格(ClassA)に準拠したプロトコルスタックとサンプルアプリケーションで構成される。トランスポート層、ネットワーク層、アプリケーション層、RTOSとのインタフェース層が設けられており、ハードウェアに容易に実装できる。また、CPUやOSに依存しないため、さまざまなLSIに実装可能だ。CC-Link協会の適合試験確認済みで、プロトコルのデバッグに用いる状態解析用ログ出力機能も搭載する。
同社は、三菱電機エンジニアリングと連携し、製品開発から適合試験、試作、量産まで、ソフトウェアとハードウェアの両面からサービスを提供する。なお、同年度中にCC-Link IE TSN(Master)対応SDKのリリースも予定している。
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