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スマート化するパナソニック神戸工場――設備がつながり、双腕ロボットが働く:スマート工場最前線(5/5 ページ)
パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、ビジネスモバイルPC「Let's note」やフィールドモバイルPC「TOUGHBOOK」の生産拠点である神戸工場を報道陣に公開し、スマートファクトリー化に向けた最新の取り組みを披露した。
自ら活用し、Zetesの日本展開を支える神戸工場
このように神戸工場ではスマートファクトリー化に向けた取り組みが行われているが、同時にソリューションセンター化の実現にも注力している。今回は、2017年7月に買収したZetes Industries(Zetes)の技術とノウハウを日本市場向けにカスタマイズしたサプライチェーンソリューションの一部、「倉庫見える化ソリューション(Zetes medea)」について、その活用イメージを披露した。
具体的には倉庫内での検品業務の効率化を支援するもので、従来バーコードリーダーで一つずつ手作業で検品していた業務を、カメラを使ってバーコードを複数同時一括で読み取り、一括検品を実現する。これにより、作業効率化、エラー発生率の軽減、人的リソースの最適化が図れる。実際、2019年2月に導入したところ、これまで手作業で約18秒かかっていた読み取りが6秒に短縮されたという。「神戸工場をZetesの日本展開を支える拠点として位置付け、サービス連携を図っていく。自社で活用しながらその効果を示し、活用事例として顧客提案に役立てたい。Zetesのソリューションを紹介する橋渡しになれたらと思う」(清水氏)。
おまけ:さまざまな現場で採用される「TOUGHBOOK」
工場見学ツアーの合間にタフブックの活用事例がいくつか紹介された。
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