1on1ミーティングの会話を可視化、コミュニケーションの改善や人材育成に活用:製造業IoT
村田製作所は、1on1ミーティングでのコミュニケーション状態を可視化する「NAONA×Meeting」を発売した。上司と部下の関係性や会話量などを客観的なデータにすることで、コミュニケーションの改善や円滑な業務の遂行に活用できる。
村田製作所は2019年6月17日、1on1ミーティングでのコミュニケーション状態を可視化する「NAONA×Meeting」の販売を開始した。
1on1ミーティングは、アメリカのシリコンバレーなどで実施されてきた人材育成の手法の1つ。上司と部下が1対1で気軽に話し合う場を提供し、コミュニケーションの改善や部下の成長を図るもので、近年、日本でも取り入れる企業が増えている。
NAONA×Meetingは、人と人、人とモノの関係性を分析するセンシングデータプラットフォーム「NAONA」を用いて、感覚的に把握してきたコミュニケーション状態を明らかにするシステム。無線通信機、ゲートウェイ、コミュニケーションセンサーで構成される。
コミュニケーションセンサーは360度マイク内蔵で、発言の量や長さ、テンポ(ここでは1人当たり1回発言する平均時間)など、会話に含まれるコミュニケーション情報を可視化する。NAONAは端末側でエッジ処理をし、会話内容を音声特徴量に変換する。変換後の元データは廃棄し、個人情報をサーバに記録することはない。
上司と部下の関係性や会話量などを客観的なデータにすることで、上司に部下とのコミュニケーションを改善するきっかけを与え、円滑な業務の遂行につなげられる。NAONA×Meetingは、1on1ミーティングのほか、面接や日常会話など多様なシーンにおいて、より良い関係性の構築に貢献する。
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