デジタルの取り組みで世界に後れを取る日本、ITリーダー向け調査から:製造マネジメントニュース
ガートナージャパンは、日本企業がデジタルビジネスの取り組みにおいて世界に後れを取っているとの調査結果を発表した。日本企業は世界企業の動きに追随できておらず、デジタルビジネスの取り組みで世界との差が拡大しているという。
ガートナージャパンは2019年6月20日、日本企業がデジタルビジネスへの取り組みにおいて世界に後れを取っているとの調査結果を発表した。同調査は、2018年4〜6月に同社エグゼクティブプログラムメンバーを含むITリーダーを対象に実施。全回答者は3102人で、国内の回答者は134人となった。
同社では、世界の企業はデジタルビジネスへの取り組みの開始段階から拡大段階へ移行しつつあると考えている。一方、同調査によると、日本企業の4分の3以上がデジタル化のプロセスに着手する開始段階を完了していないとの結果が出ている。そのため、日本企業が世界企業の動きに追随できておらず、その取り組みで世界との差が拡大しているとする。
また、CIO(最高情報責任者)として目的を達成する上で障壁になっているものについても、国内外で差が出た。国内ではITまたはビジネスリソースの人数不足が最も多く67%に達しているが、世界では38%にとどまっている。レガシーシステムの保守面でも国内外で差が生じ、国内では30%がレガシーシステムの保守で身動きが取れないと回答した。
組織文化面では、国内は「チェンジリーダーシップ、計画、実行力が弱い」とする回答が32%に達し、世界のCIOと比較してチェンジリーダーシップに課題があることが分かった。
さらに、これまでのやり方を根底から変えてしまうようなもの(ゲームチェンジャー)について質問したところ、日本も世界の企業もAI(人工知能)と回答した。しかしAIの投資については差異があり、日本では人材不足を補う自動化の手段、海外ではデータドリブンなビジネスへの布石として捉えているという結果になった。
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