スーパーマイクロサージャリー向け超高周波超音波画像診断装置を発売:医療機器ニュース
富士フイルムは、体表付近の直径0.5mm以下の微細組織構造を鮮明かつ高精細な画像で観察できる、超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD」を発売した。
富士フイルムは2019年6月12日、直径0.5mm以下の末梢血管や小さな腫瘍など、体表から深度1cm程度の微細組織構造を、鮮明かつ高精細な画像で観察できる超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD(ソノサイト ビーボ エムディー、Vevo MD)」を発売した。標準ユーザー渡し価格は本体と専用プローブ「UHF70」で7200万円(税別)。富士フイルムメディカルを通じて販売する。
Vevo MDは、FUJIFILM SonoSiteが提供する超音波画像診断装置で、独自の超音波プローブ製造技術と超高周波超音波の送受信技術を用いている。これらの技術により、汎用超音波画像診断装置のプローブで世界最高(同月11日現在、同社調べ)となる70MHzの超高周波と、35µmの高解像度を可能にした。
特に、顕微鏡下で実施する手術「スーパーマイクロサージャリー」が行われる形成外科領域のニーズに対応。例えば、直径0.5mmに満たないリンパ管と静脈を吻合するリンパ浮腫の外科治療や皮膚移植などに役立つ。
Vevo MDを用いることで、鮮明で高精細な画像が得られ、体表付近の微細な組織構造を明瞭に観察できる。最高周波数46MHzのプローブもラインアップしており、体表から深度2.4cm程度と、より深部が観察可能だ。
また、画像が見やすい19インチの大型な観察用スクリーンに加え、画面をタッチするだけで簡単に操作できる12.1インチの全面タッチスクリーンも採用。ユーザーインタフェースが簡単かつ迅速に操作できるため、効率的な診断が可能だ。表示モードはBモード、Mモード、カラードプラの3種で、画像メモリは750GB、本体の外形サイズは67.1×53.8×122cmとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 医療機器のAI活用で期待される画像診断支援、国のゴーサインはいつ出るのか
パシフィコ横浜で2018年4月13〜15日に開催された「2018 国際医用画像総合展(ITEM2018)」。今回は、医療分野におけるAI(人工知能)技術に関する同イベントでの展示内容を中心に主要各社の取り組み状況を紹介する。 - DNPと富士フイルムが取り組む産業のデジタル変革、その裏を支える参照モデルの意味
日本マイクロソフトは2019年6月25日、業種や用途に特化したデジタル変革を支援する「Microsoft Partner Network(MPN) for Industryパートナー プログラム」の開始を発表。合わせて、同パートナープログラムを利用し、業種に特化したデジタル変革のレファレンスアーキテクチャ(参照モデル)構築に取り組むDNPと富士フイルムがそれぞれの事例を発表した。 - iPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療製品の共同事業を開始
富士フイルムと武田薬品工業は、iPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療製品の共同事業化に向けた取り組みを開始した。両社の持つ技術や経験を組み合わせ、有効性、安全性に優れた再生医療製品の普及を目指す。 - 半月板断裂部位への滑膜幹細胞移植技術に関する特許ライセンス契約
富士フイルムと東京医科歯科大学は、半月板損傷を対象とした、自家間葉系幹細胞の移植技術に関する特許ライセンス契約を締結した。富士フイルムは、この滑膜幹細胞を用いた再生医療製品の開発、製造、販売の独占的実施権を取得する。 - 体内の立体構造をより正確に描出する画像処理技術
富士フイルムは、体内の立体構造をより正確に描出できる、人工知能を用いた新たな画像処理技術を開発したと発表した。乳がん診断において見分けにくかったノイズと微小な石灰化が見分けやすくなるなど、診断に適した高精細なX線画像を提供する。 - AI技術を用いた間質性肺炎の診断支援技術を共同開発
富士フイルムと京都大学は、AI技術を用いて間質性肺炎の病変を自動分類し、定量化する技術を共同開発した。CT画像から肺の7種類の病変性状を識別し、自動分類して測定することにより、間質性肺炎の病変を定量化する。