ニュース
AUTOSAR準拠BSWの適合性検証をマツダが開始:組み込み採用事例
SCSKは、同社のAUTOSAR準拠ベーシックソフトウェア「QINeS BSW」の適合性検証をマツダが開始したと発表した。「QINeS」は、車載BSWおよび開発ツールの活用や教育を支援するサービスで、車載ECU開発の品質と生産性の向上に貢献する。
SCSKは2019年6月6日、同社のAUTOSAR準拠ベーシックソフトウェア(BSW)「QINeS BSW(クインズ ビーエスダブリュー)」の適合性検証をマツダが開始したと発表した。
「QINeS」は、車載ソフトウェアの標準規格であるAUTOSARに準拠したBSWを中心とするソリューション群。車載BSWおよび開発ツールの活用、教育を支援するサービスをワンストップで提供する。ソフトウェアの再利用と自動化により、車載ECU(電子制御ユニット)開発における品質と生産性の向上に貢献する。
近年、自動車の電子化の急速な進展に伴い、BSWの開発規模が拡大し、BSW搭載ユニットも増加している。自動車メーカーやサプライヤーには、開発効率化のため、AUTOSARなど車載システムの標準規格に基づいたBSWを取り入れる動きがある。今回のマツダの適合性検証は、そうした流れを受けたものだ。
SCSKは今後、BSW単体での検証や開発環境を整備するなどして、機能安全要求(FSR:Functional Safety Requirement)、機能安全コンセプト(FSC:Functional Safety Concept)への検証も進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AUTOSARの歴史と最新動向に見る、Classic PlatformとAdaptive Platformの関係
車載ソフトウェアを扱う上で既に必要不可欠なものとなっているAUTOSAR。このAUTOSARを「使いこなす」にはどうすればいいのだろうか。連載の第6回では、2018年11月時点でのAUTOSARの最新動向を紹介するとともに、Classic PlatformとAdaptive Platformの関係について説明する。 - AUTOSARにおける標準化活動とはどんなものなのか
車載ソフトウェアを扱う上で既に必要不可欠なものとなっているAUTOSAR。このAUTOSARを「使いこなす」にはどうすればいいのだろうか。連載の第10回では、あまり知られていないAUTOSARにおける標準化活動について、筆者の経験を基にその一端を紹介する。また、AUTOSAR Adaptive Platformの最新リリースであるR19-03の変更点についても取り上げる。 - AUTOSARの最新動向:2018年3月版
既に量産車への適用が始まっている車載ソフトウェア標準「AUTOSAR」。これまでMONOistでAUTOSARの解説連載を2回執筆してきた櫻井剛氏が「AUTOSARを使いこなす」をテーマに新たな連載を始める。第1回は、まず現状を確認するためにAUTOSARの最新動向を紹介する。 - 国産AUTOSARは羽ばたけるか「国内3陣営が頑張らないと海外勢に寡占される」
車載ソフトウェア標準であるAUTOSAR CP(Classic Platform)に準拠するソフトウェアプラットフォーム(SPF)を手掛けるAPTJは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」の開催に合わせて同会場内で会見を開き、2018年10月1日に正式販売を開始した同社のAUTOSAR CP準拠のSPF「Julinar SPF」について説明した。 - AUTOSAR準拠RTOSが次世代ブレーキのECUに採用、国内外の自動車に搭載へ
アドヴィックスが開発する次世代ブレーキシステム製品の制御ECUに、SCSKのリアルタイムオペレーティングシステム「QINeS-BSW RTOS」が採用された。 - 国産のAUTOSAR準拠BSWをカーエアコン用電動コンプレッサーが採用
SCSKの「QINeS BSW」が、サンデン・オートモーティブコンポーネントが開発するカーエアコン用電動コンプレッサーの次世代モデルに採用された。同BSWは車載標準規格「AUTOSAR」に準拠しており、車載ECU開発の品質と生産性を向上させる。