インテルがFPGA部門とネットワーク部門を統合、CPU不足は第3四半期に解消か:組み込み開発ニュース
インテルは2019年6月20日、東京都内で記者会見を開催し、同社の2019年第2四半期の状況と、FPGA製品およびネットワーク製品部門の戦略について説明した。
インテルは2019年6月20日、東京都内で記者会見を開催し、同社の2019年第2四半期(4〜6月期)の状況と、FPGA製品およびネットワーク製品部門の戦略について説明した。
会見の冒頭、同社社長の鈴木国正氏は今四半期のハイライトとして、第2世代Xeonスケーラブルプロセッサの発表、eスポーツイベントとしてオンライン来場者2000万人を集めた「Intel Extreme Masters Sydney」の開催、第10世代Coreプロセッサを発表した「COMPUTEX TAIPEI 2019」への出展を挙げた。
また、同社日本法人における独自の取り組みとして、新規事業機会の創出に注力していると鈴木氏は語る。具体的には、「エネルギー」「製造」「サービス」「スマートシティ」「コンシューマー」の領域を重点産業分野と定め、具体的な案件調査を進めていることや、製造業とエネルギー業向けのプライベートイベントを2019年7月に開催することを紹介した。
鈴木氏は「世界でデータ量が爆発的に増大している。あらゆるテクノロジーでデータの活用が活発に行われていくだろう」と見方を語り、「インテルはデータ社会のインフラに注力し、テクノロジーの変革をけん引する」と意気込みを見せた。
また、記者からPC向けCPU市場におけるシェア低下に関する質問が出ると、鈴木氏は「サプライの問題が大きく、シェアの減少が発生した。この問題に対しては必要な投資を行っており、今年の第3四半期から効果が出てくるはずだ」との認識を示す。また、「競合の製品競争力が上がっていることも認識しており、われわれも製品競争力の向上を図っていく」と回答した。
FPGA部門とネットワーク部門を統合したインテル
また、会見には米国本社で上席副社長を務めるダン・マクナマラ氏が登壇。同社は2019年6月13日、FPGA製品を統括するPSG(プログラマブルソリューショングループ)とネットワークインフラ製品を統括するNPG(ネットワークプラットフォームグループ)を統合し、「Network and Custom Logic Group(NCLG:ネットワーク&カスタム・ロジック・グループ)」を新設したとアナウンスしており、マクナマラ氏は同部門をリードする立場につく。
同氏は両部門を統合した意図について「われわれは5年前までPCセントリックなビジネスを行ってきた。この市場では高いシェアを持つが、今後は高い成長が望めない。これからはデータセンターやネットワーク、IoT(モノのインターネット)といった、大きな成長が予想されるデータセントリック市場に挑戦する」と説明。同部門はイーサネットやシリコンフォトニクスのNIC(ネットワークインタフェースカード)から「Optane DC Persistent Memory」といった各種メモリ、FPGA、開発用ソフトウェアを一挙に擁することになる。
5G(第5世代移動通信)やAI(人工知能)のインフラ開発を行う顧客に対して、FPGAによる開発の柔軟化と、2018年7月に買収を発表したeASICのストラクチャードASIC、ASICによるカスタムロジックの利点を両立して提供できるとして「これまで以上に素晴らしいソリューションを提供する」と胸を張った。
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