最新技術を品質保証に生かすには、これからのモノづくりの在り方:MONOist品質管理セミナー(4/4 ページ)
MONOistは新時代の品質保証をテーマとしたセミナー「製造業×品質、転換期を迎えるモノづくりの在り方」を開催。同セミナーでは次々と発覚する検査不正や品質問題に立ち向かうべく、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった新時代のテクノロジーを従来の品質改善活動にどのように組み込むべきか、講演を通じて紹介した。
データ分析には専門家が必要なのか……Q&Aセッションも開催
講演後にはQ&Aセッションが開催され、当日講師として出席した5人が質問に答えた。このうち「現場の品質不良に関する原因にはどういうものがあるのか」という問いに対して、山田氏は「問題の事象が発生する原因としては設計から製造への変更連絡のミス、現場の作業者のチェックミスなどの人に起因するもの、また、マニュアルはあるがそのマニュアルが使えないという話も多い。これらを無くすためには、現場に変更通知をスムーズに伝えられる仕組みづくりや、現場の作業状況を可視化することなどがある」と述べた。
「IoTの導入について、その方法がよく分からない」という質問には、川田氏が「まずテーマを絞り込むことが重要だ。さまざまなことを同時に始めようとすると進みづらいので、早く結果が出そうなものに注力して結果を生むことが大事。今やれるものから始めるということが基本だ」と答えた。
さらに「データの分析を行う場合、データサイエンティストなどの専門家でない場合はどのような点に気を付ければよいのか」の問いに対しては、上村氏が「日本では一部の大企業以外を除き、ほとんどの企業にデータサイエンティストはいない。最近米国ではデータサイエンティストという言葉は使われなくなっており、その代わりに、専門知識がそれほど必要ない出回っているツールを活用しながら一般的にデータサイエンスを行う“データシチズン”が多く生まれている」と回答。また、川畑氏は「まずデータを取り込んで分析できるようにして、可視化する。そのあとで統計、予測などにつなげる。最近の流れとしては見える化からAIを使うなど、各種のツールを使うとより簡単にできようになってきている」と述べた。
「サプライヤー起因で製品の回収に追い込まれることがあるが、その対策は」の問いに、山田氏は「仕入れ先まで踏み込んだ改善の仕組みを構築し効果を出しているところもある」とした。また、「品質基準に満たない製品が外部に出回らないようにするためには」の質問には、須本氏が「サプライヤーとのコミュニケーションを密にとることが、未然に防ぐことにつながる」と述べた。
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