RFタグを利用した輸送器材の追跡、所在管理サービス:製造ITニュース
東芝デジタルソリューションズは、物流向けプラットフォームを基盤とするIoTソリューション「LADOCsuite」を発表した。サービスの第1弾として、輸送器材の追跡、所在管理ができる「LADOCsuite/LogiTrace」の提供を開始する。
東芝デジタルソリューションズは2019年4月25日、東芝のIoT(モノのインターネット)「SPINEX」に基づいて構築した物流向けIoTソリューション「LADOCsuite」を発表した。サービスの第1弾として、輸送器材の追跡、所在管理ができる「LADOCsuite/LogiTrace」の提供を開始する。
LADOCsuite/LogiTraceは物流現場で取り扱う荷物に加え、パレットやカゴ台車といった輸送器材、車両などの位置情報をクラウド上に集めて蓄積する。それらの情報を管理して活用することにより、配送先や自社の拠点内にある輸送器材の所在管理にかかる負荷を軽減し、物流コストを削減する。
情報は荷物や輸送器材に貼付したRFタグなどを利用して、位置や移動状況を自動で読み取る。さらに、クラウドに送信するデータを選択するデータフィルタリングや、セキュリティ通信、蓄積データの見える化を実施する。
物流拠点では輸送器材の出荷と返却を把握する受払管理により、輸送器材の紛失や拠点間の偏在を抑制し購入コストを削減する。受払管理では輸送器材と配送先のひも付け作業が課題となるが、輸送器材の識別タグと配送先識別タグを同時に読み取ることで運用負荷を軽減する。また、顧客企業別の個別アプリケーション開発サービスも用意されており、輸送器材の配送先情報を活用して積み込みミスを防ぐなど、作業品質の改善にも貢献する。
サービス料金は月額制で、導入企業が管理する輸送器材に応じたライセンス体系や、使用するリーダー数に応じたライセンス体系が選択可能だ。
同サービスは輸送器材だけでなく、荷物、車両、作業員などのデータも一元管理できる。今後は管理するターゲットの拡張や、輸送中のトレース情報を収集する機能の追加を予定している。
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