低床化で操作性が向上した、ハイブリッド式竪型射出成形機:FAニュース
日精樹脂工業は、型締力220トンのハイブリッド式竪型射出成形機「TWX220R III 25V」の受注を開始した。新複合式型締機構を搭載し、機械全体の低床化を可能にした。
日精樹脂工業は2019年5月1日、型締力220トンのハイブリッド式竪型射出成形機「TWX220R III 25V」の受注を開始した。新複合式型締機構を搭載し、機械全体の低床化を可能にした。標準本体価格は3150万円(税別)で、年間40台の販売を見込む。
TWX220R III 25Vは、ハイブリッド式竪型成形機「TNX‐R III」シリーズを基にしたハイブリッド式竪型射出成形機だ。早送りシリンダと高圧型締シリンダ、ハーフナット機構からなる複合型締機構を採用している。
機構を小型化したことで、金型取り付け面高さを従来機比で約30%減の1000mmとし、金型取り付けなどの段取り替え作業やワークインサート、製品取り出しの作業性が大幅に向上した。機械全体の高さを約10%低く抑え、高さ方向の設置場所の融通性を高めた。
均一な型締力を伝える直圧式型締機構を搭載しており、常に設定値通りの安定した型締力を伝達しつつ、温度変化の影響を抑えた。金型に適正な型締力を容易に設定可能で、機械精度を長期間維持する。
新複合型締機構により、従来機よりも作動油量を52%削減できる。ベッド構造を最適化し、自動機を柔軟にレイアウトできるようにした。取出機や多関節ロボット、双腕ロボットなど、個々の成形品や成形工程に適した自動化システムに対応する。また、金型の取り付け面の3ステージ化にも容易に対応できる。
他に、3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブルを採用。型開閉ストロークと最大型開距離を100mm延長して、大型化する金型に対応した。回転盤とエジェクタ動作にはサーボモーター駆動を採用し、機械動作と回転停止精度を高めた。これにより、インサート成形時のワークのズレなどを防止する。
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