ニュース
「人」を主役とした生産手法を確立へ、モノづくりコンソーシアムを設立:FAニュース
産業技術総合研究所は、「人」が主役となるものづくり革新推進コンソーシアムの設立を発表した。産総研や沖電気工業などが設立発起機関となり、人と機械が協調しながら効率的に生産する手法、熟練者の技を効率よく伝承する手法などを確立する。
産業技術総合研究所(産総研)は2019年4月10日、「人」が主役となるものづくり革新推進コンソーシアム(HCMIコンソ)の設立を発表した。
現在、ものづくり産業は、低コストを重視した大量生産体制から、必要な価値を必要に応じて提供する変種変量生産体制へと変わりつつある。これには、生産現場で柔軟に対応できる人材と、人材確保の方策を早期に確立する必要がある。
HCMIコンソは、新たなものづくりの手法を確立し、その手法を普及するために設立された。同日現在で、産総研をはじめ、沖電気工業、日鉄ソリューションズ、三菱電機が設立発起機関として名を連ねる。
活動拠点として、まずは、産総研の臨海副都心センター内にあるサイバーフィジカルシステム研究棟の模擬工場の一部に「ものづくり革新拠点(仮称)」を設置し、参加機関が研究開発や実証、評価などをする場として活用する。他に、地域拠点を順次開設していく。
HCMIコンソは活動を通して、人と機械が協調しながら効率的な生産が可能になる手法や、「匠(たくみ)の技、熟練者の経験や勘」を効率よく伝承する手法、個々の労働者が能力を発揮しやすい環境やマネジメント手法などを確立する。これにより、人が働きながら成長する仕組みの構築を目指す。
同コンソーシアムは、今後、設立趣旨に賛同する参加機関を広く募集する。同年6月には、設立総会を開催する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。 - いまさら聞けない「デジタルツイン」
デジタルツインというキーワードを、IoT活用やデジタル変革(DX)の流れの中で耳にする機会が多くなった。デジタルツインとは何か? について「5分」で理解できるよう簡単に分かりやすく解説する。