胸部CT画像が対象のAI技術による解析サービスのトライアルを提供:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアは、画像診断業務に対し、AI技術によって画像解析処理をする胸部CT画像を対象とした「AI画像解析受託サービス」を2019年6月をめどに開始する。トライアルとして期間限定で提供する。
シーメンスヘルスケアは2019年4月11日、AI(人工知能)技術により画像解析処理をする胸部CT画像を対象とした「AI画像解析受託サービス」を、同年6月をめどに開始すると発表した。AI技術の市場評価獲得と、クラウドプラットフォームの利活用推進を主な目的に、トライアルとして期間限定で提供する。
AI画像解析受託サービスでは、深層学習技術「AI-Rad Companion(エーアイ・ラド・コンパニオン)」を用いて開発したAIソフトウェアを使用し、同社が医療機関から受け取った胸部CT画像の「肺結節の検出、測定」「大動脈の直径の測定」などを解析し、レポートを生成・提供する。AI-Rad Companionは、1回の胸部CT撮影で得られる画像から、肺や心臓、大動脈など複数の部位を一度に解析できる。
サービスの利用には、同社が提供するクラウドサービス「teamplay(チームプレイ)」の接続環境下であること、teamplay上で画像共有をするアプリケーション「teamplay Image(チームプレイ・イメージ)」の利用が必要だ。
胸部CT画像を医療機関の担当者がteamplay Imageに送信すると、teamplay Image上で画像を受領した同社エンジニアがAI-Rad Companionを用いて解析処理し、受託元の医療機関にAI-Rad Companionによる解析レポートを送付する。
解析レポートには、肺における肺気腫率(LAA%)の計測、肺結節の検出と大きさの計測、心体積の計測、冠動脈の石灰化検出および石灰化の定量化、大動脈直径の計測などが含まれる。
なお、試用した医療機関から得たフィードバックは、AI技術の高度化を通して医療サービスの向上に役立てられる。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 医療分野のAIは自動診断だけじゃない、シーメンスヘルスケアが製品に順次搭載
シーメンスヘルスケアが東京都内で会見を開き国内の事業戦略を発表。「医療デジタル化の推進」で重要な役割を果たすAIの採用について説明した。AIによる自動診断が注目を集めているが、既に解析を助ける機能として順次製品に搭載し始めているという。 - シーメンスがデジタル戦略を説明「高齢化進む日独でこそデジタル化が力に」
シーメンス(Siemens)がデジタル戦略を説明。ドイツ本社で取締役 CTOを務めるローランド・ブッシュ氏は「新技術とデジタル化によって、指数関数的な成長や、バリューチェーンの中で最も脆弱な部分の排除など、大きな変革が起きていく」と語った。 - ハイブリッド手術室を救急災害医療に応用、シーメンスヘルスケアと東京曳舟病院
伯鳳会グループとシーメンスヘルスケアは、救急災害医療を中心とした医療機器の運用およびサービスに関するパートナーシップを締結した。救急災害医療のための「ハイブリッドER」を東京曳舟病院にて展開・運用する。 - シーメンスの医療情報クラウド「teamplay」、他社製診断機器のデータも活用可能
シーメンスヘルスケアは、「2016国際医用画像総合展」において、CTやMRIといった医療用画像診断機器を中心に医療情報のビッグデータを扱うクラウドサービス「teamplay」を紹介した。特徴は「ベンダーニュートラル、リアルタイム、ビッグデータ」で、他社の医療用画像診断機器からも情報を取得し、クラウドにビッグデータとして集約できる。 - クラウドを活用した医療のデジタル化と情報共有を目指し、協業を開始
シーメンスヘルスケアとアルムは、医療におけるデジタル化と情報共有を推進するために協業を開始した。シーメンスヘルスケアは医療機関に対し、アルムの汎用画像診断装置用プログラム「Join」の導入サポートを展開する。