シーメンスの医療情報クラウド「teamplay」、他社製診断機器のデータも活用可能:2016国際医用画像総合展
シーメンスヘルスケアは、「2016国際医用画像総合展」において、CTやMRIといった医療用画像診断機器を中心に医療情報のビッグデータを扱うクラウドサービス「teamplay」を紹介した。特徴は「ベンダーニュートラル、リアルタイム、ビッグデータ」で、他社の医療用画像診断機器からも情報を取得し、クラウドにビッグデータとして集約できる。
シーメンスヘルスケアは、医療用画像診断機器の展示会「2016国際医用画像総合展(ITEM2016)」(2016年4月15〜17日、パシフィコ横浜)において、CTやMRIといった医用画像データを中心に医療情報のビッグデータを扱うクラウドサービス「teamplay」を紹介した。
同社が高いシェアを持つX線検査装置やCT、MRI、超音波検査装置などの医療用画像診断機器で撮影した医用画像データは、医用画像保存通信システム(PACS)などで扱うのが一般的だ。ただしPACSは、医用画像データを保存/管理することに特化したシステムであり、その他の情報を扱うのは難しかった。
teamplayで扱うのは、CTやX線検査時の線量情報「Dose」や、医療用画像診断機器ごとの検査回数や検査時間「Usage」などである。そしてこれらの情報は、医療用画像診断機器データの標準規格であるDICOMに準拠していれば、メーカーに関係なく全ての機器から取得できる。
取得したデータは院内に設置する専用PC「teamplayレシーバ」を介してクラウドに集約される。集約したビッグデータから得られるDoseやUsageの情報は、teamplayレシーバとつながる院内ネットワークのPCなどのブラウザを使ってリアルタイムで確認できる。また、クラウドは国内にサーバを持つMicrosoftの「Azure」なので、医療機関が患者データをクラウドなどで扱う際の「3省4ガイドライン」にも対応している。「teamplayは、ベンダーニュートラル、リアルタイム、ビッグデータという3つの特徴がある」(同社)という。
現在利用可能なサービスはDoseとUsageだけだが、医療用画像診断機器の検査プロセスであるプロトコルの管理や最適化などが可能な「Protocol」も数カ月内に利用できるようにするとしている。これらの他、医用画像データから個人を特定できる情報を削除した上で、データ共有によって他の病院とコラボレーションする機能なども考えられるとしている。
同社の説明員は「teamplayで管理できるDoseやUsageの情報は、これまで手作業でExcelなどに集計することが多く、院内の業務効率の改善に役立てられているとは言えない状況にあった。teamplayを使えば、患者の被ばく量を減らしたり、所有している医療用画像診断機器を効率よく利用したりすることができるようになる。何よりベンダーニュートラルなので、シーメンスヘルスケアのユーザーでなければならないという縛りもない」と述べている。
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