eSIMで事前設定なく運用可能、NTTコムがIoT向けモバイル通信を開始:製造ITニュース
NTTコミュニケーションズは、IoT機器向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile」を提供開始した。eSIM(組み込みSIM)による遠隔からのプロファイル書き換えが可能で、国と地域に応じて常に最適なスペックや料金でモバイル通信を利用できる。
NTTコミュニケーションズは2019年4月15日、世界各地で最適なモバイル通信を利用できる、IoT(モノのインターネット)機器向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile」の提供を開始した。eSIM(組み込みSIM)による遠隔からのプロファイル書き換えが可能で、IoT機器を使用する国と地域に応じて、常に最適なスペックや料金でモバイル通信を利用できる。
IoT Connect Mobileは、複数のモバイルキャリアと接続することで、日本を含む世界196の国と地域のモバイル通信を利用できるサービス。通信プロファイルの書き換えが可能なeSIMを用いて、SIMに書き込まれた内容を遠隔管理し、運用中のIoT機器が使うキャリアをより低価格のモバイルキャリアに切り替える。そのため、eSIMを組み込んだIoT機器を工場から出荷する際、事前に利用環境に合わせた設定をする必要がない。
法制度でローミングが規制されている場合には、現地のモバイルキャリアを利用するといった柔軟な対応も可能だ。グループ会社のTransatelが有するアジア、北米、欧州の3つのゲートウェイを活用し、利用者に近い設備を経由することで遅延を抑えた高品質な通信も提供できる。
SIMは、取り外し可能な「Plug-inタイプ」と、振動耐性や衝撃耐性に優れた組み込み用の「Chipタイプ」の2種類がある。両タイプとも、温度耐性や書き込み耐性を強化したインダストリアルグレードも用意する。
同サービスのWebポータルでは、ダッシュボードから契約中の全SIMの利用状況などを把握できる。SIMの追加発注や、回線単位の利用休止・再開などにも対応。SIMごとに通信容量や速度などをカスタマイズできる。これらの機能はAPIでも提供され、利用している他システムとの連携も可能だ。
また、用途に応じてSIM上にJavaアプレットを実装できる。これにより、通信データのセキュリティレベルを高めるIoT機器の改ざん検知機能を付加するといった機能拡張が行える。
月額のデータ通信料金は容量に応じた従量課金制で、1MB当たり1円。別途、初期費用が必要となる。
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