独自の画像処理技術を搭載した光干渉断層計を発売:医療機器ニュース
キヤノンは、網膜の断層面を見られる眼科機器の光干渉断層計「OCT-A1」を発売した。眼底3次元画像から血管形態を描出する画像処理技術「OCT Angiography」を搭載する。
キヤノンは2019年4月18日、網膜の断層面を見られる眼科機器の光干渉断層計「OCT-A1」を発売した。眼底3次元画像から血管形態を描出する画像処理技術「OCT Angiography(OCTA)」を搭載する。Angiography Modelの参考価格は1600万円(税別)となる。
OCT-A1は、深層学習技術を用いた画像処理技術と高性能GPU(画像処理半導体)により、OCTA画像生成を高速化するとともに、高画質化している。眼科系医療機関へ、ブランド名「Xephilio(ゼフィリオ)」として展開していく予定だ。
独自の新画像処理技術「Intelligent denoise」は、深層学習技術を用いて設計。ノイズを眼底の血管形態を描出したOCTA画像から除去し、血管の細部まで可視化した高精細OCTA画像を生成する。
深層学習技術の教師データには、繰り返し撮影したOCTA画像を加算平均し、高画質化する技術「OCTA Averaging」を採用。Intelligent denoiseにより、1回のスキャンでOCTA Averagingに匹敵する高精細なOCTA画像を生成する。
OCTA画像の再構成時間は、高性能GPUを用いた画像の演算処理によって従来比で約70%短縮。診断画像を速やかに得られ、検査時間の短縮が期待できる。また、糖尿病網膜症などの血管異常の読影で有効となる複数枚のOCTA画像をつなげるパノラマや、OCTA Averagingの処理時間も短縮できる。
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