深層学習開発クラウドサービスで、高速かつ安価なGPUが利用可能に:人工知能ニュース
深層学習のプログラムを生成する、ソニーの統合開発環境「Neural Network Console クラウド版」において、産業技術総合研究所が運用する「AI橋渡しクラウド」のGPUが選択可能になった。高速のGUI開発環境を低コストで利用できる。
ソニーは2019年4月8日、深層学習のプログラムを生成する、同社の統合開発環境「Neural Network Console クラウド版」において、産業技術総合研究所(産総研)が運用する「AI(人工知能)橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure:ABCI)」のGPUが利用可能になったと発表した。
Neural Network Console クラウド版は、複数GPU(Graphics Processing Unit)による高速学習サービスだ。Webブラウザからアクセスすれば、常に最新の機能と直観的なGUI(Graphical User Interface)、クラウド上の豊富なリソースを使用して深層学習のプログラム開発ができる。
今回、学習や評価に用いる計算リソースとして、AI処理向け計算インフラストラクチャであるABCIのGPUが選択可能になった。これにより、高速のGUI開発環境を低コストで利用できる。技術面、コスト面でAIが開発しやすくなることから、幅広い産業でのAI活用促進が期待される。
ABCI対応のNeural Network Console クラウド版は「NVIDIA TESLA V100 GPU」を利用。GPU4台、メモリサイズが240GBの「G.large」と、GPU1台で同60GBの「G.small」の2つのタイプがある。
1時間当たりの利用料金は、G.largeが1650円、G.smallが300円。2019年4月末までは、最大10万円分のABCI GPUを無料で利用できる。利用には、申し込み後に産総研でのABCI利用審査が必要となる。
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