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深層学習開発クラウドサービスで複数GPUによる高速化が可能に:人工知能ニュース
ソニーは、深層学習のプログラムを生成できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」のクラウドサービスにおいて、複数GPUによる高速学習サービスの提供を開始した。
ソニーは2018年5月9日、深層学習のプログラムを生成する統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」(Neural Network Console)のクラウドサービスにおいて、複数GPUによる高速学習サービスの提供を開始したと発表した。
Neural Network Consoleは、Webブラウザからアクセスし、ニューラルネットワークの設計や学習、評価などが行える。インストールの必要はない。2017年11月より、同社がオープンβ版として無償提供している。
従来の無償β版では、1アカウント当たり10時間のCPU学習、10GBのストレージ、10のプロジェクトという制約があった。今回、大規模な学習の実行や複数のプロジェクトの学習を同時に進行させたいユーザー向けに、最大で8台のGPUを用いた学習まで選択できるようになった。
新たに提供するGPUによる学習では、CPUでの学習と比較して、ほとんどのニューラルネットワークで10倍以上、特定のニューラルネットワークでは100倍以上の高速での学習が可能になる。
利用料は、学習時間に応じて1時間当たり210円。独自でGPU学習環境を構築する場合と比較して、一時的な構築費用が不要で、かつ柔軟な学習環境で効率的に深層学習プログラムの開発ができる。
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