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国土交通省がIHIに業務改善命令、一部部品で自主回収を実施製造マネジメントニュース

IHIは2019年4月9日、2019年3月に公表した民間航空機エンジン整備事業での不適切検査に関して国土交通省から業務改善命令を受けたと発表した。経済産業省から同年3月に受けた処分に続き、2度目の行政処分となる。

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 IHIは2019年4月9日、2019年3月に公表した民間航空機エンジン整備事業での不適切検査に関して国土交通省から業務改善命令を受けたと発表した。同社は同年3月29日にも経済産業省から「航空機製造事業法に基づいて認可を受けた航空機用エンジンの修理方法にて作業するよう」命令を受けており、同事案で2度目の行政処分となる。

 同社は2009年1月〜2019年1月の期間に整備、検査した現在運航中の国土交通省管轄エンジン45台と単品修理の部品605点に範囲を拡大して調査を行ったところ、エンジン34台、部品125点で不適切な作業があったことが判明した。調査した合計で約19万件の作業総数のうち、不適切作業は1251件あった。認定資格が必要な検査工程で無資格者が作業を行い有資格者の印鑑を借用した事案が974件、エンジンメーカーが定める正規作業手順の逸脱や検査実施日と記録の不一致が277件あった。

 不適切検査の対象となった現在運航中のエンジンは、同社瑞穂工場(東京都瑞穂町)で整備されたインターナショナル・エアロ・エンジンズのV2500、GEアビエーションのCF34、プラット&ホイットニーのPW1100G-JMの3機種。

 国土交通省東京航空局が発出した業務改善命令では、「検証の結果、搭載エンジンの安全性に直ちに影響がないことは確認された」とするが、「長期的継続使用の観点で会社として自主回収を行うとしたエンジン、部品について」自主回収を速やかに実施するよう命じた。

 IHIでは「顧客と相談しつつ、長期的継続使用の観点から消耗品を交換する」(同社広報)方針だ。交換対象はブレード類となる見込みだ。交換作業は、エンジンを分解せずブレードが交換できる場合は客先で行うが、エンジン分解が必要な場合にはエンジンをIHIの工場に引き取り作業を実施する予定だ。

 また、業務改善命令では「今般判明した不適切事案が生じた事実、及び過去に社内において改善の機会があったにもかかわらず、見過ごされ、必要な措置が講じられなかった」と指摘。2018年4月の内部告発を受けて実施した社内調査で同事案を見過ごしたことを問題視したものとなる。

 IHIは同年5月10日までに国土交通省へ改善報告書を提出するが、外部に対しては「そのタイミングで何らかの説明を行うことを検討している」(同社広報)とする。

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