CNC装置に対応した工作機械向けプロトコルコンバーター、スマート工場化に貢献:FAニュース
サイレックス・テクノロジーは、CNC装置に対応した工作機械向けのプロトコルコンバーター「FBR-100AN」を発表した。MT Connect対応の稼働監視システムや上位システムと工作機械を容易に接続できるため、生産現場のスマート化を支援する。
サイレックス・テクノロジーは2019年3月18日、CNC(Computer Numerical Control:コンピュータ数値制御)装置に対応した工作機械向けのプロトコルコンバーター「FBR-100AN」を発表した。同年4月8日から出荷を開始する。
FBR-100ANは、ファナック製のCNC装置から収集した工作機械の稼働情報を、製造業向けのオープン通信プロトコル「MT Connect」形式に変換し、有線および無線LANを介して上位システムに転送する。これにより、MT Connect対応の稼働監視システムやさまざまな上位システムと工作機械を容易に接続できるため、生産現場のスマート化を支援する。
3つのLANインタフェースをサポートしており、情報系と制御系で分かれた工場内のネットワークには、独立した2つの有線LANポートを利用する。無線LAN通信機能も搭載し、機械の設置場所を問わずネットワーク接続できる。
また、FBR-100ANとファナックのCNC装置を搭載した各社の工作機械を有線LANやシリアル(RS-232C)で接続して、装置内のNCプログラムやデータをモニタリングできる。これまではシグナルタワー経由でしか取得できなかった旧機種の稼働情報も、デジタル入力インタフェースを利用すれば取得可能だ。さらに、別売りのソフトウェア開発キットにより、工作機械メーカー独自のアプリケーションをFBR-100AN内部に追加できる。
動作温度範囲は−20〜50℃で、電気主要部のサージ、絶縁、耐腐食ガスに対応する。筐体は防塵、防水保護等級IP53で、DINレールによる制御盤内への設置や盤外への取り付けもできる。
同社は今後、FBR-100ANがファナック以外のCNC装置や別の接続プロトコルにも対応できるよう、順次機能を追加する予定だ。
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