ニュース
ディープラーニングに活用できる動画キャプションデータセットを公開:人工知能ニュース
千葉工業大学 人工知能・ソフトウェア技術研究センターと産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構は、3者で共同開発した、日本語キャプションの「STAIR Actions キャプションデータセット」の公開を開始した。
千葉工業大学は2019年3月12日、同大学人工知能・ソフトウェア技術研究センター(ステアラボ)と産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共同開発した、日本語キャプションの「STAIR Actions キャプションデータセット」を発表した。同日より、インターネット上で公開している。
3者は2018年7月に、ディープラーニングによるきめ細かい人の動作認識の研究の一環として、日常生活シーンを中心とした動作動画10万本からなるデータセット「STAIR Actions」を公開している。
今回はその中から7万9822本を選び、日本語で内容を記述した39万9233個のキャプションデータセットを公開した。キャプションは、1本の動画当たり平均5個使用し、「誰が」「どこで」「何をしている」の3つの要素で構成している。これをディープラーニングの訓練用データとして利用すれば、動画を日本語に変換するモデルの構築が容易になる。
これまで、人の動作動画キャプションデータセットは、マイクロソフトの26万個が世界最大だった。今回はそれをしのぐ規模で、日本語では初の試みとなる。育児や介護など、人を対象とした分野での人工知能の活用に向け、日本語ベースの動画と言語をつなぐマルチモーダル研究の促進が期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。 - 機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね
前編では、AI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングといった用語の説明から、AIを実現する技術の1つである機械学習が製造業を中心とした産業界にも徐々に使われ始めている話をした。後編では、機械学習を使ったデータ分析と予測モデル作成について説明する。 - 組み込みAIは必要不可欠な技術へ、推論に加えて学習も視野に
2017年初時点では芽吹きつつあった程度の組み込みAI。今や大きな幹にまで成長しつつあり、2019年からは、組み込み機器を開発する上で組み込みAIは当たり前の存在になっていきそうだ。 - 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。 - パナソニックと千葉工大がロボティクス家電を開発「産学連携の在り方を変える」
パナソニックと千葉工業大学は、千葉県習志野市の同大学キャンパス内に「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」を設立。大学側の先端技術を応用した次世代ロボティクス家電の製品開発について、両者が企画段階から“ひざ詰め”で創り出していくことが特徴。今から2〜3年後となる2020年ごろを目標に製品化を目指す。 - コンクリートの鉄筋結束作業を自動化するロボット、鉄筋をレールに見立てて移動
千葉工業大学と大成建設は、建造物に用いるコンクリートの骨組みとなる鉄筋を自動で結束する自律型鉄筋結束ロボット「T-iROBO Rebar(ティーアイロボ・リバー)」を開発。2018年度から、本格的に現場に導入し、鉄筋結束作業の省人化/効率化による鉄筋工事の生産性向上を目指す。