ファイバーレーザー複合加工機とソーティング機能付き自動搬送装置:FAニュース
村田機械は、ファイバーレーザー複合加工機「LS2512HL」と、ソーティング機能を備えた自動搬送装置「FG2512TL」を発表した。両機を組み合わせることで、高精度かつ高速な複合加工と、長時間安定した自動運転が可能になる。
村田機械は2019年2月27日、ファイバーレーザー複合加工機「LS2512HL」と、ソーティング機能を備えた自動搬送装置「FG2512TL」を発表した。同年3月から販売する。
LS2512HLは、レーザーヘッドが移動するフライングオプティクス型のファイバーレーザー加工機をベースとしており、成形およびタップ加工機能が付加されている。レーザー部の早送り速度は170m/分(XY同時2軸)で、位置決め精度は±0.01mm、定格出力は2.5kW、4.0kW、6.0kWとなっている。
成形部は、加工トン数5トンで、皿モミ、ハーフシャー(ダボ)、バーリング加工などが可能だ。成形金型のステーション数は8で、オプションの自動工具交換装置を付加すれば、金型を最大45本まで装備できる。タップ装置のステーション数は4と8(8はオプション)、タップサイズはM2〜M10、オプションでM12にも対応可能となる。また、成形部、タップ装置ともに板厚6.35mmまでの加工が可能で、オプションで12mmに対応する。
FG2512TLは、加工済みワークのピッキングからソーティングまでを自動化する装置。ファイバーレーザー加工機や、LS2512HLを含む複合加工機に対応する。対応可能な素材サイズ(X×Y)は914×914mm〜1250×2500mmで、0.5mm〜6.35mmの板厚を1枚取りで自動搬送する。
これまで、ワークピッキングは切断幅の狭さから難しいとされていたが、加工後のシートから先にスケルトンを除去し、残ったワークを吸着搬送することで安定した動作が可能になった。素材や製品を保管するストッカー棚を8つ備えており、長時間の自動運転にも対応できる。ストッカー棚は、オプションで10まで増やすことができる。
LS2512HLとFG2512TLを組み合わせることで、高精度かつ高速な複合加工と、長時間安定した自動運転が可能になる。両機はいずれも4×8材対応で、従来の5×10材対応機に両機が加わることにより、複合加工機と自動化システムのサイズバリエーションが拡充する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - なんだこの異次元な動き、浮遊体で運ぶベッコフの新リニア搬送システム
ベッコフオートメーションは2018年11月27日(現地時間)、ドイツで開催中の制御技術の展示会「SPS IPC Drives 2018」において、新たなリニア搬送システム「XPlanar」を発表した。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。