多機能レーザーポインター搭載で安定した彫刻ができる小型彫刻機:FAニュース
DGSHAPEは、同社初となる小型彫刻機「DE-3」を発表した。既存モデルの基本構造は変えずに、便利な機能を持つレーザーポインターを採用し、LANにも対応するなど利便性を向上している。
DGSHAPEは2019年1月30日、レーザーポインターを搭載した小型彫刻機「DE-3」を発表した。親会社のローランド ディー.ジー.から3D事業を引き継いで以降、同社が初めて開発した彫刻機となる。価格は74万8000円(税別)で、同年2月21日より発売する。
DGSHAPEの親会社であるローランド ディー.ジー.の現行モデル「EGX-350」の基本構造は変えず、インタフェースやソフトウェアを見直すことで、利便性を向上した。現在稼働している銘板や電柱札の彫刻システムに対応し、操作パネルや点字システム、グッズの名入れ、彫刻による装飾など、彫刻を必要とする全ての業界で使用できる。
特長として、安定した彫刻作業ができるレーザーポインターを搭載する。このレーザーポインターには、原点設定や彫刻エリアの四隅で一時停止して彫刻範囲を示すエリアプレビュー機能、彫刻する際に事前にツールの通り道をなぞるパスプレビュー機能など便利な機能が備わっている。
また、これまでのUSB接続に加え、LAN接続用ポートを装備。LANに対応したことにより、PCとは別の部屋にDE-3を設置して、ネットワークプリンタとしても使用できる。
新しいソフトウェア「Dr.EngravePlus」を標準で添付する。同ソフトは、文字彫刻をはじめ、デザイン図案やマークなどのベクターデータ(線分データ)を取り込んでの彫刻、bmp、jpg、png形式の画像データから輪郭線を抽出する機能を搭載する。テンプレート機能では、可変データを取り込んで一度に複数のシリアルプレートや名札などを彫刻可能だ。他に、穴開け加工と面出し加工モードが追加され、専用ソフトウェアを用意しなくても、精密彫刻の際の面出しや素材への穴開け作業ができる。
駆動方式はXYZの3軸同時制御で、ワークテーブルサイズは305×230mm。取り付け可能なワークの厚みは最大40mmとなっている。
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