AIを用いた画像診断の共同研究に向け、パートナーシップを締結:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアと徳洲会は、AIソリューションを用いた画像診断の共同研究、検体検査工程の完全自動化、人材最適化に向けた超音波研修プログラムに関するパートナーシップ契約を締結した。
シーメンスヘルスケアは2019年2月5日、AI(人工知能)ソリューションを用いた画像診断の共同研究と検体検査工程の完全自動化、人材最適化に向けた超音波研修プログラムに関するパートナーシップ契約を徳洲会と締結したと発表した。
今回のパートナーシップは、沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院を主な拠点として展開する。まず、同病院の近隣にある湘南ヘルスイノベーションパーク内に、共同で「AIコラボレーションセンター」を設立・運営する。ここで、CT検査の約25%を占める胸部CT画像の読影をサポートするAIソフトウェアの共同研究に取り組む。
このAIソフトウェアでは、肺や心臓など胸部の各臓器、部位全体の読影をAIがサポートする。注意深く読影すべきかを印を付けて知らせることで、読影の効率化、高精度化が期待されるという。
また、シーメンスヘルスケアの統合型免疫・生化学分析システム「Atellica Solution(アテリカソリューション)」などの先端的な臨床検査システムや搬送システムを同病院へ導入し、検体検査工程の自動化を推進する。併せて、同社が超音波画像診断機器のトレーニングを実施する「US(ユーエス)アカデミー」を開講し、臨床検査技師が専門性の高い生理検査に対応できるようにする。
今回のパートナーシップをベースに、将来的には、徳洲会グループの他の病院でも同様の取り組みを進めるとしている。
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