ホンダが本田技研含めた体制変更、欧州では「電動化を機にブランド強化」:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
ホンダは2019年2月19日、東京都内で会見を開き、同年4月1日付の組織運営体制の変更と、四輪車の電動化に向けた生産体制の見直しについて発表した。
「英国のEU離脱とは無関係」
ホンダは2030年までに販売の7割弱をプラグインハイブリッド車/ハイブリッド車/燃料電池車/電気自動車でカバーする目標を掲げている。販売台数のうち、50%以上をプラグインハイブリッド車とハイブリッド車が、燃料電池車と電気自動車が15%程度を占めると見込む。電動化の加速に備えて、グローバルで生産拠点の配置と生産能力の適正化を進めるため四輪の生産体制の見直しを進めてきた。埼玉製作所の狭山完成車工場を2021年度までに閉鎖するのもその一例だ。
今回、「シビック」の次期モデルについて生産場所を検討するのに合わせて、シビックハッチバックを生産する英国、シビックセダンを生産するトルコでは、2021年中に生産を終了することとした。英国で生産する同モデルは55%が北米向けであり、北米などで生産することが適正化につながると判断した。また、北米と欧州の環境規制への対応の違いも踏まえて決定した。北米での生産モデルを欧州に輸出することは考えていないという。英国では、同年中に完成車の生産を終了する方向で、会見と同日から労使間での協議を開始した。
八郷氏は、欧州での生産終了が英国のEU離脱や日米関係への配慮とは無関係であることを強調した。「シビックの生産拠点を決めるにあたっては、取引先も設備の準備がある。EU離脱で情勢が混乱しているのは認識しているが、取引先に迷惑が掛からない時期に伝えるため、このタイミングでの発表となった」(同氏)。
これから販売比率を増やす電動車の生産体制は、需要の大きさが見込める中国、米国、日本で構築する。これに合わせて、寄居完成車工場では、電動化など新技術に対応した生産技術を構築し、標準化して海外の生産拠点に展開させ、グローバルでの人材育成も兼ねた機能を持たせることも発表済みだ。日米中だけでなく欧州も電動車のラインアップが見込まれる市場の1つ。ただ、欧州域内での電動車の生産は競争力などの観点で難しいと判断し、欧州向けの電動車は日中から供給する。
八郷氏は英国とトルコでの生産終了が、欧州事業からの撤退ではないことも強調した。「欧州から撤退することは考えていない。中国のボリュームや日中の競争力で欧州事業の基盤を強化したい。電動化が加速する中で、欧州でのホンダブランドを強いものにしたい」(同氏)。
今回発表した英国とトルコでの生産終了や、日本、ブラジル、タイでの生産適正化が進むことにより、2021年末にグローバルでの生産能力は510万台となる見通し。現在の生産能力はグローバルで540万台。2018年暦年で稼働率は97%だった。生産適正化が進むことや働き方改革により、稼働率は100%を超える予定だ。
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