作業性と生産性を向上、汎用プレスブレーキのバージョンアップ版:FAニュース
村田機械は、汎用プレスブレーキ「BB」シリーズ、「BH」シリーズの「Advanced Version」を発表した。作業者支援機能の強化や、制御システムの改良によるラム軸のレスポンス改善などで生産性を向上している。
村田機械は2019年1月21日、汎用プレスブレーキ「BB」シリーズ、「BH」シリーズの「Advanced Version」を発表した。ボールスクリュープレスブレーキ 「BB Advanced Version」シリーズ3機種、デュアルドライブプレスブレーキ 「BH Advanced Version」 シリーズ6機種を同年2月1日から販売開始する。
両シリーズのAdvanced Versionでは、操作パネルに21.5インチのワイドモニターを採用し、ユーザーインタフェースを一新。機械の状態をオペレーターに伝えるアナウンスインジケーターや金型管理画面での金型図の表示など、作業者支援機能を強化した。
また、制御システムの改良によるラム軸のレスポンス改善でサイクルタイムを短縮し、生産性を向上。自社開発の板金CAMフォーマット「SCPX」に対応することで、他社製CAD、CAMデータとの互換性を強化した。
BB Advanced Versionシリーズは、ACサーボモーター制御のボールネジで駆動するボールスクリュードライブシステムの搭載により、高速動作と安定した繰り返し停止精度を可能にした。組み込み減速機が騒音を抑え、作業環境の改善にも貢献する。加圧能力は36〜55トン、曲げ長さは1260〜2100mmだ。
BH Advanced Versionシリーズは、ラムの駆動系をACサーボモーター制御のボールネジ駆動と油圧駆動を分離制御する独自開発のデュアルドライブシステムを搭載。ボールネジによる高速上下動作と、油圧による加圧下降を分離して制御することで、1秒当たり200mmの高速動作と高い繰り返し停止精度を可能にする。また、ラム下降時のエネルギーを蓄積し、ラム上昇時の補助動力に使うアシスト装置も搭載する。加圧能力は85〜250トン、曲げ長さは2600〜4100mmだ。
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