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インフルエンザウイルスを1個レベルで認識するナノバイオデバイスを開発:医療技術ニュース
大阪大学は、ナノポアセンサーとペプチド工学を融合させ、インフルエンザウイルスを1個レベルで認識可能なナノバイオデバイスの開発に成功した。
大阪大学は2019年1月10日、ナノポアセンサーとAI(人工知能)を活用し、インフルエンザウイルスを1個レベルで認識できるナノバイオデバイスを開発したと発表した。同大学産業科学研究所 教授の鷲尾隆氏らの研究グループが、東京工業大学と共同で実施した。
研究グループはまず、インフルエンザウイルスと弱い相互作用を示す、ナノポアセンサーに適合したペプチドプローブを合成。従来の測定で弊害となっていたポア内でのトラップを解消し、ナノポア内を認識対象物が通過できるようにした。
また、金薄膜で作製したナノ細孔(ナノポア)を開発した。その内壁にペプチドプローブを固定し、ナノポアを通るイオン電流を計測するナノポア法を用いた単一ウイルス粒子検出を行った。
その結果、ウイルス―ペプチド間の分子間相互作用の度合いに応じたナノポア通過時間の延長に成功。さらに、機械学習によるパターン認識技術をイオン電流信号解析に応用し、同デバイスがインフルエンザの型判定に有用であることを実証した。
分子認識ナノポアセンサーは、ポアの大きさを変えるだけでDNAから細菌まであらゆる対象物質に応用可能な原理を有する。そのため、今後、1粒子レベルの分析が可能なイムノクロマトグラフィー技術への広い展開が期待される。
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