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デンソーの新領域プロセッサ「DFP」に対応するJTAGデバッガ:組み込み開発ニュース
京都マイクロコンピュータは、同社のJTAGデバッガ「PARTNER-Jet2」が、エヌエスアイテクスの「DFP」を搭載したテストチップとテストボードの開発環境に対応したと発表した。
京都マイクロコンピュータ(KMC)は2019年1月16日、同社のJTAGデバッガ「PARTNER-Jet2」が、デンソー子会社であるエヌエスアイテクスが「新領域プロセッサ」として開発を進めている「DFP(データフロープロセッサ)」搭載のテストチップとテストボードの開発環境に対応したと発表した。
DFPは、CPU、GPUに次ぐ次世代半導体IP。電力効率の高い並列プロセッサ構成を採用し、アプリケーションに依存せず汎用的に使用できる。
PARTNER-Jet2は、デバッグと解析に重点を置くJTAGデバッガで、高速かつ大容量トレースを生かした性能解析機能やマルチプロセッサ対応など、詳細なデバッグができる。PARTNER-Jet2はこれまでも、ARM、SH、Intelプロセッサに対応してきた。
開発したテストチップは、DFPに加え、CPUやLPDDR4、PCIeといった複数のインタフェースを搭載。テストチップ、テストボードともに開発が完了し、エヌエスアイテクスでは、試作の製造を始めている。
KMCとエヌエスアイテクスは、車載をはじめ、さまざまな組み込みシステム領域のアプリケーションで、DFP性能について実証する予定だ。
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