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公差がなぜ今必要なのか? 本当は日本人が得意なことのはず:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(1)(4/4 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第1回はなぜ今、公差が必要なのかについて話をする。
GD&Tは今後より重要に
次回以降であらためてお話ししますが、GD&T(Geometric Dimensioning and Tolerancing)は、ASME(米国機械学会:American Society of Mechanical Engineers)の規格に従った製図規格の幾何公差設計法です(※5)。
※5 海外の規格について:JIS B0405:1991も1989 年第1版として発行された ISO 2768-1(General tolerances−Part 1:Tolerances for linear and angular dimensions without individual tolerance indications)を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格になります。
筆者の経験の中で、産業機械の多くは、機能を持ったさまざまなユニットが筐体のベース面上に設置されます。このユニットには、「加工点」といわれる仕事をするポイント(位置)があり、この位置を設計上監理するとともに、製造上も管理します。
また、省スペース化や高スループットを要求される産業機械では、機械内に存在するユニットの小型化による緻密化が図られるとともに、ユニット間の距離も極限まで近くすることもあります。製造する装置が高度化すればするほど、この傾向は強くなります。
私が公差計算・公差解析に本格的に取り組んだのは今から10年ほど前でした。機械の高度化と海外への機械の出荷が始まることにより、機械設計における公差の重要性が、精度向上と模倣対策の側面から必要となり、今日ではより重要性を高めており、GD&Tもそれに代表されます。
次回より、公差計算・解析について基礎的な部分から公差について解説を行っていきます。(次回に続く)
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