近接センサー2512機種にIoT機能を搭載、設備の稼働率を向上:FAニュース
オムロンは、検出距離が世界最長となる近接センサー「E2E NEXT」シリーズ(直流3線式)2512機種にIoT機能を搭載した。検出距離が従来の2線式の2倍以上で、設備停止のリスクを従来の3分の1以下に低減した。
オムロンは2019年1月15日、検出距離が世界最長(同社調べ)となる近接センサー「E2E NEXT」シリーズ(直流3線式)2512機種にIoT(モノのインターネット)機能を搭載したと発表した。同年1月から世界的に発売する。
E2E NEXTシリーズは、同社独自の技術「サーモ・ディスタンス・コントロール2」と「アナログハイブリッドIC“PROX3”」を搭載する。サーモ・ディスタンス・コントロール2は、異なる複数の温度において、個々のセンサーの特性を高精度に計測し、各センサーのアナログデジタルハイブリッドIC“PROX3”に同社独自の多項式アルゴリズムで計算した数値を書き込んで補正することにより、安定した長距離検出性能を発揮する技術だ。
これにより、検出距離が従来の2線式の2倍以上となり、近接センサーの検出距離が短いことに起因する設備停止のリスクを従来の3分の1以下に低減。設備の稼働率向上に寄与する。
また、センサー本体と検出物体の距離を常時モニタリングし、IO-Link通信で「離れすぎ」や「近づきすぎ」などの状態をユーザーに通知する。設備の突発停止の予兆を早期に発見できることから、適切なタイミングでメンテナンスができ、保全担当者の経験や技術に関係なく、設備の安定稼働が可能になる。
同シリーズは、多様な検出距離タイプ、外形サイズの2512種を用意しており、さまざまな用途に対応する。
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