人の目のように明暗を認識し、高画質を提供する画像処理プロセッサ:組み込み開発ニュース
Armは、人の網膜のようにコントラストに順応できるIridix技術を採用したイメージシグナルプロセッサ(ISP)「Arm Mali-C52」「Arm Mali-C32」を発表した。ドローンやスマートホームアシスタント、防犯カメラなどのリアルタイム画質を向上する。
Armは2019年1月3日、Iridix技術を採用したイメージシグナルプロセッサ(ISP)「Arm Mali-C52」「Arm Mali-C32」を発表した。Iridix技術は、人の網膜のコントラスト順応機能を模倣したもので、カメラが人間の目のような見方をするよう設計されている。
Mali-C52、C32は、ピクセルごとにハイダイナミックレンジ(HDR)やノイズリダクション、カラーマネジメントをはじめとする25以上の処理工程を採用。さらに、ダイナミックレンジマネジメント技術やトーンマッピング技術により、屋外カメラなどの画像出力で発生するような明るい部分と影が混在したシーンでも、人間の目と同様に効率的に明暗が認識できる。
4Kのような高解像度や60fpsでの画像も提供可能で、ドローンやスマートホームアシスタント、防犯、インターネットプロトコル(IP)カメラなどのリアルタイム画質を向上する。
両プロセッサともに柔軟性に優れ、Mali-C52は、画質と面積を組み合わせて最適に構成できる。Mali-C32は、エントリーレベルのアクセス制御や、ホビードローンなど消費電力やコストを重視した組み込み型ビジョン機器向けに最適化している。
Armは、オート露出、オートホワイトバランス、オートフォーカスを含んだソフトウェアパッケージやキャリブレーションおよびチューニングツールも提供する。
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