ソニー「aibo」がオープン化に踏み出す、1周年迎えエコシステムを拡大へ:ロボット開発ニュース(2/2 ページ)
ソニーは2019年1月23日、東京都内で会見を開き、自律型エンターテインメントロボット「aibo(ERS-1000)」の新サービスを発表した。
「aiboのおまわりさん」でセコムと協業
一方、aiboのおまわりさんは、aiboが縄張りとして覚える家庭内の地図データを使った初の機能になる。My aiboで見つけてほしい人の顔と名前を登録(10人まで)し、地図データ内でパトロールしてほしい場所を指定。その後設定時間になると、aiboが「犬のおまわりさん」のメロディーとともに移動し、見つけてほしい人を探し出す。その人を見つけたときには、可愛らしいふるまいを披露する。パトロールの状況や見つけた人とaiboのふれあいの様子などは、パトロールが終わった後にオーナーにレポートを送られる。
なお、aiboのおまわりさんは、オーナーからの指示に従って室内の様子をリアルタイムに確認できる機能や、見つけてほしい人を見つけた時のプッシュ通知機能などを新機能として提供する予定。これらの新機能については、2018年6月から提供する月額1480円の「aiboプレミアムプラン」で提供される。
また、aiboのおまわりさんによるパトロール機能を「セキュリテインメント」と位置付け、セコムとのパートナーシップを開始する。まずは、セコムのホームセキュリティサービスとaiboのおまわりさんの機能連携の実証実験から取り組みを始める予定で、将来的には新たな機能やサービスの提供も目指す。
会見に登壇したセコム 執行役員企画担当の上田理氏は「高齢化が進む日本では見守りサービスの需要が高まっている。aiboと“セコムする”ことで安心安全に加えて、楽しさも提供していきたい」と述べている。
Scratchで「aibo」をプログラミング
そして「社会価値の創出」の軸で新たに取り組むのが、ソフトウェアAPIの無償公開によるオープン化だ。2019年夏には第1弾として、クラウドAIなどaiboのクラウド上の機能をWebAPI経由で利用できる開発環境を無償ライセンスで提供する。ソフトウェアAPIを用いた外部連携で想定している業種は、教育やメディア/広告、ヘルスケアなどで、ユースケースとしては家電連携、ペットグッズ、セキュリティなどを挙げている。
川西氏は、2020年から必修化される小学校のプログラミング教育で利用されるScratch※)を、WebAPIの適用例とするデモを紹介した上で、「Scratch向けにaiboの拡張ブロックも提供していく」と語る。
※)関連記事:連載「Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング」バックナンバー
なお、WebAPIの無償公開やScratchは、オープン化の分かりやすい事例としての取り組みであり「より高レベルなニーズにも対応していきたい。どのような使い方をしたいのか、まず問い合わせていただければ」(同氏)としている。
クラウドAIを成長させるためのaibo育成チャレンジや、aiboのおまわりさんでのセコムとの協業、そしてソフトウェアAPIの無償公開によるオープン化。1周年を迎えたaiboの2年目の取り組みは、エコシステムの拡大にフォーカスすることになりそうだ。
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