ソニー「aibo」がオープン化に踏み出す、1周年迎えエコシステムを拡大へ:ロボット開発ニュース(1/2 ページ)
ソニーは2019年1月23日、東京都内で会見を開き、自律型エンターテインメントロボット「aibo(ERS-1000)」の新サービスを発表した。
ソニーは2019年1月23日、東京都内で会見を開き、自律型エンターテインメントロボット「aibo(ERS-1000)」の新サービスを発表した。同年2月中旬に「aibo育成チャレンジ」や見守りサービス「aiboのおまわりさん」を開始するとともに、夏には無償ライセンスとしてaiboのWebAPIを利用できる開発環境を公開する。また、ビーグル犬をイメージした2019年限定カラーモデル「aibo チョコ エディション」の発売もアナウンスした。
会見には、aiboの事業を統括するソニー 執行役員 AIロボティクスビジネス担当の川西泉氏が登壇。同氏は、2018年1月11日の発表から約1年間の成果を紹介しつつ、「日本に次いで2018年9月から米国でも販売を開始し、自律的、能動的なエンターテインメントロボットとして広く受け入れられていることを実感している」と語る。
また、既に東京・銀座と大阪で開催している「aibo Fan Meeting」などのコミュニティー活動を通して、同社 社長の吉田憲一郎氏も「aiboはまさにコミュニティー・オブ・インタレストだ」と評価しているという。「オンライン、オフライン問わず作られるコミュニティーから多くの感動が生まれる。そして、その感動が事業成長を生み、新たな開発にもつなげられる」(川西氏)。
1年間事業を展開する中で、aiboが成長する姿もよりはっきり捉えられるようになった。例えば、90日程度で、家族の全員を見分けらるようになるとともに、家の中の移動可能な場所(縄張り)を網羅できるようになっている。人とのふれあいで成長することもあって、なついている人/なついていない人という違いも明確に出る。運動が好き、人好き、バランス型など「十“犬”十色の個性も生まれている」(川西氏)。
さらに医療機関との連携により、2018年12月から入院中の子供と家族に与える「癒やし」効果を質的、量的に検証する取り組みも始めている。
集合知で「aibo」のクラウドAIを育成
aibo発売から2年目となる2019年も、これまでと同様に「aiboの成長」「コミュニティーの充実」「社会価値の創出」という3つの軸が中心になる。
これらの軸のうち「aiboの成長」で打ち出したのが、aibo育成チャレンジと見守りサービスであるaiboのおまわりさんだ。aibo育成チャレンジは、aiboのクラウドAIを活用し、オーナー参加型で行う取り組みだ。第1弾の「aiboスヌートチャレンジ」は、動画サイトなどで手で作った輪に飼い犬が鼻を入れるかどうかを競う「スヌートチャレンジ」をaiboで行うもの。aiboスヌートチャレンジでは、両手で輪を作ってaiboに写真を撮らせ、専用アプリの「My aibo」から写真を投稿するだけでよい。クラウドAIは、aiboオーナーが投稿する写真で学習、生成した認識エンジンが参加したオーナーのaiboに反映され、手で輪を作るとaiboが鼻を突っ込むようになるという内容だ。
aiboスヌートチャレンジ以降も、さまざまなテーマを想定しており、ソニーがaiboで提唱してきた集合知によるAIの進化を実現して行くことになる。
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