新生Rethink Roboticsが協働ロボットを日本市場に再アピール:ロボデックス
住友重機械工業は、「第3回ロボデックス」に出展し、同社が取り扱うRethink Roboticsの協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」をアピールした。
住友重機械工業は、「第3回ロボデックス」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)に出展し、同社が取り扱うRethink Roboticsの協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」をアピールした。
Rethink Roboticsは、協働ロボットにおいて先駆者として地位を築いた、米国ボストンに本社を置いた企業だった。しかし、資金繰りが悪化したことから2018年10月に廃業を発表し、業界に衝撃を与えた。Rethink Roboticsの国内展開は住友重機械工業が独占しているが「直前まで知らされていなかった」(住友重機械工業ブース担当者)としている。
ただその後、ドイツの産業用オートメーション企業であるHAHNグループがRethink Roboticsの全ての権利を買収したことを発表した。
HAHNグループでは、新たにドイツ法人としてのRethink Roboticsを立ち上げ、同社が新生Rethink Roboticsとして、「ソーヤー」を含む協働ロボットの技術などを引き継ぎ、グローバル展開を継続する形となっている。
基本的には従来の代理店契約なども引き継ぐ方針を示しており「現在再契約に向けて交渉中だが、おそらくはそのまま契約は続く見込みだ」(住友重機械工業ブース担当者)としている。製品開発の展望などの話し合いも一部で始まっており、契約が固まれば、再度国内でも本格的に展開を開始する見込みだ。
「従来はロボットそのものにブラックボックスとなっている技術領域が多く、トラブルが起きたときに日本では対応できないことも多かった。ただ、ドイツ法人となって基本的にはオープン化し他の機器などとの連携を強化する方針を示しているので、日本での展開は行いやすくなる見込みだ」(住友重機械工業ブース担当者)としている。
国内の協働ロボット市場は、人手不足などから成長が続く見込みだが「既に自動車部品の組み立て工程など、多岐にわたる業界に導入が進んでいる。ただ、まだ使い勝手などで迷うユーザーも多いので、再始動に合わせて利便性などを訴えていけるようにしたい」(住友重機械工業ブース担当者)としている。
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