富士通が外観検査装置を参考出品、独自の画像AIソフトを活用:スマート工場EXPO2019
富士通は、「第3回スマート工場EXPO」において、独自の画像AIソフトウェアを活用した外観検査装置を参考出品した。
富士通は、「第3回スマート工場EXPO」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、独自の画像AI(人工知能)ソフトウェアを活用した外観検査装置を参考出品した。
展示した外観検査装置は、検査対象を把持する6軸ロボットアームと2指開閉ハンド、ドーム照明とメガピクセルカメラによる汎用の撮像環境から成る。主な検査対象としては、小型金属部品やプラスチック成型品、飲料びんなどを想定する。可搬重量1.5kg、ワークサイズは150×100mm程度。装置の外形寸法は幅800×奥行き1100×高さ1900mm、重量は約250kg。
検査機能の特徴は、ロボットアームで検査対象を把持してさまざまな姿勢で制御することにより、複数面の検査を行えることだ。デモで披露していた飲料びんの場合、飲み口のガラスの欠けや、側面のシールに印字された内容の確認を行える。この検査機能に、富士通独自の画像AIソフトウェアを組み合わせることで、高度な画像良否判定が可能になるという。
富士通は、製造業を中心とする顧客に画像AIソフトウェアを提案してきたが「生産ラインにおける画像AIソフトウェアの具体的な使い方や、ロボットとのインテグレーションまでを含めて提案してほしいという意見を多くいただいた」(同社の説明員)という。これらの意見を受けて、富士通の生産技術部門が社内実践で積み重ねてきたロボットと画像AIソフトウェアのノウハウをベースにパッケージ化したのが今回展示した外観検査装置になる。
なお、2指開閉ハンドによる把持で持ち替えを行いながら複数面の検査を行うため、検査速度は速いとはいえない。「高額の化粧品や医薬品など、高い品質が求められる生産ラインの外観検査などに適しているのではないか」(同説明員)としている。
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