ロボットとAIを組み合わせて自動外観検査を実現へ、スタートアップの挑戦:ET2018
ロビットは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」において、ロボットやAI、照明技術を組み合わせた外観検査ソリューション「TESRAY」を出展した。
ロビットは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、ロボットやAI、照明技術を組み合わせた外観検査ソリューション「TESRAY」を出展した。同技術は「ET/IoT Technology Award 2018」において「スタートアップ 優秀賞」を受賞している。
ハードウェアとAIを組み合わせて開発できる強み
ロビットは2014年創業のモノづくりスタートアップ企業である。製品の量産などで工場などとの付き合いが生まれる中、多くの製造業が検査工程の自動化で苦しんでいる状況を知り、外観検査の自動化を目指す「TESRAY」の開発することになったという。
TESRAYの特徴は、検査を行うロボットや照明などのハードウェア技術と、検査内容の分析を行うAI技術の両方を組み合わせて開発できるという点だとする。
従来は検査機器メーカーやロボットメーカーなどがAIなどを組み合わせて提案できるケースは少なく、一方でAIベンダーなどはハードウェアや製造現場の状況が理解できずに、実用性の高い提案には至らないという状況があった。ロビットでは、ハードウェアとAIを組み合わせて提案できることで「コンサルテーションまで含めて検査工程の自動化に最適な形で提案できる」(担当者)とする。
ハードウェアの形態はそれぞれの検査工程に最適なものを開発可能だとしており、既に自動車部品メーカーなどの塗装の検査や食品加工メーカーなどでの実証には入っているとしている。
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