長時間連続運転も可能な高速パンチ・ファイバーレーザー複合マシン:FAニュース
アマダは、高速パンチ・ファイバーレーザー複合マシン「EML-AJ」シリーズを発売した。従来機よりパンチングやレーザー機能が向上し、より高速で高品質な板金加工が可能になった。自動化オプションで長時間の連続運転もできる。
アマダは2018年12月21日、高速パンチ・ファイバーレーザー複合マシン「EML-AJ」シリーズを発売した。販売価格は1億3030万円から(税別)で、年間120台の販売を目指す。
パンチングとレーザーの2つの機能を備え、同機1台で切断や穴あけ、成形、タップといった板金加工ができる。従来機よりパンチングやレーザー機能が向上し、より高速で高品質な板金加工が可能になった。
パンチング加工は、300kNのパンチングプレス能力をはじめ、同社の単体機で実績のある機能を全て備える。ヒットレート(時間当たりのパンチ打数)は従来機比で25%向上。また、パンチング金型を搭載するタレットに、上下異径(φ1010mm、φ1200mm)のZタレットやφ1200mmの大容量タレットが搭載可能となった。
レーザー切断については、発振効率の高い3kWのファイバーレーザー発振器と新しい光学系を組み合わせることで、光の品質を高めた。アシストガスの整流化技術により、従来機よりも質の高い高速切断が可能になっている。ドロス(切断時に溶けた材料が付着したもの)の高さは約2分の1に低減し、切断面の面粗度は1.3倍となる。切断速度が3倍になる一方で、消費電力は3分の1に低減した。
同シリーズには、金型自動交換装置(PDC)や自動ノズルチェンジャー、レーザースクラップ自動搬出、カッティングプレートの自動清掃機能など、豊富な自動化オプションが用意されている。これらを運用に応じて組み合わせることにより、最大12時間〜24時間の連続運転が可能となる。
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