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オープンカーではないコペン限定車が誕生、こだわりもてんこ盛り車両デザイン

ダイハツ工業は、「東京オートサロン2019」(2019年1月11日〜13日、幕張メッセ)で「コペン クーペ」を含む複数の車両を公開した。コペン クーペは同社オープンカーの「コペン セロ」をベースに、CFRP(炭素繊維強化樹脂)製のハードルーフを取り付けたことによって流麗なクーペスタイルを実現した特別仕様車だ。

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 ダイハツ工業は、「東京オートサロン2019」(2019年1月11日〜13日、幕張メッセ)で「コペン クーペ」を含む複数の車両を公開した。コペン クーペは同社オープンカーの「コペン セロ」をベースに、CFRP(炭素繊維強化樹脂)製のハードルーフを取り付けたことによって流麗なクーペスタイルを実現した特別仕様車だ。



東京オートサロン2019で展示されたコペン クーペ(クリックで拡大)

 東京オートサロン2016でコンセプトモデルを展示し大きな反響を得たことより市販化開発を開始。販売数量200台の限定車となるが、その開発にはダイハツとサプライヤーのこだわりがふんだんに盛り込まれていた。

大物部品のCFRP成形を低コスト、高精度に

 CFRP製のハードルーフはルーフからピラー、テールまでを1ピースでつなぐ大物部品だ。コペン クーペの全長は3395mm、全幅は1475mmであるため、ハードルーフの寸法も2000×1300mm程度となる。

左:コペン クーペのCFRP製ハードルーフ 右:従来モデルのルーフ(クリックで拡大)

 同社がCFRPを市販車両のボディに採用したのは今回が初めてであり、ハードルーフの開発は試行錯誤の連続だった。「大きな部品なので仕入れ先の選定に苦労した。また、寸法精度の確保が難しく、デザインにこだわりがあるクルマとしてルーフやトランク等のラインやチリを綺麗にそろえることが難しかった」(コペン クーペ開発担当者)と、さまざまな課題があったとする。

 同部品の成形ではインフュージョン法を採用する。同氏は「ハンドレイアップやオートクレーブ(プレプリグ)といった手法も検討、試作した上で決定している。インフュージョンは生産性とコストでバランスが取れた手法で、材料としてはいわゆるウェットカーボンとドライカーボンの中間程度の性能があるとみている」と選定理由を語っている。

 一方で、「特別なモデルなのでオートクレーブを採用したかったが……」ともこぼす。同氏は「試作をしてみたらオートクレーブとインフュージョンで製造コストが1000万円以上も違った。さすがにオートクレーブの採用は無理だろうと社内ストップがかかった」と開発エピソードを語った。

 また、量産車へのCFRP大規模採用について同氏は「コストが依然として高すぎる。まだしばらく時間がかかるだろう」との見方を示し、「大物であるハードルーフにCFRPを採用できたのも、コペン クーペが200台限定のためにできたことだ」との認識を示した。

曇らないフロントガラス、クォーターガラスはポリカーボネートを採用

 さらにコペン クーペでは限定車という特性を生かし、サプライヤーから先進的な技術の採用を活発に行ったことも特徴だ。

 AGCが開発した、くもりにくいガラス「eXeview」をフロントガラスのドライバー視界部に世界で初めて採用(ダイハツ工業調べ)。同製品はAGCが独自開発した樹脂コートがガラス車内側表面に成膜されており、車内空気中の水分を吸収することでガラス上の結露発生を防ぐ*)。また、Bピラー後部のクォーターガラスにはポリカーボネートを採用する。

※) 関連記事:フロントガラスがくもらない、水分を吸収する樹脂膜コートで

 その他、BBS製の鍛造アルミホイール、MOMO製の革巻きステアリングホイール、MT車ではフロントスーパーLSDを標準装備する。また、ディーラーオプションではHKSと共同開発したスポーツマフラーやサスペンションキット等を用意した。

左:BBS製の鍛造アルミホイール 右:ディーラーオプションのHKSスポーツマフラー(クリックで拡大)

 コペン クーペ開発担当者は「コペンはダイハツのフラグシップモデル。コペンじゃないと実現しないクーペデザインにこだわって開発した」と語る。また、コペン クーペはベースモデルと比較して約60万円高い価格設定となっているが、「(この価格設定では)ペイしていない」と明かす。「ハードルーフ以外にもホイールやステアリング等、標準装備にもこだわったものを採用した。顧客や販売会社にダイハツの技術力をアピールするクルマに仕立て上げた」と自信を示した。

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