ITとコンテンツ分野に関する市場動向および予測を発表:製造マネジメントニュース
野村総合研究所は、ICTとメディアに関する主要5市場の国内市場および一部の国際市場動向分析と市場規模予測を発表した。
野村総合研究所は2018年12月6日、ICTとメディア市場の動向分析および市場規模予測を発表した。ICTとメディアに関連する、デバイス、ネットワーク、コンテンツ配信、プラットフォーム、xTech(クロステック)という5市場の国内市場と一部の国際市場を対象とした。
デバイス市場は、企業のデジタルトランスフォーメーションへの注目が集まる中、今後も発展が期待されている。特に、AI(人工知能)を用いたデータ駆動型アプローチによって産業間の融合が進み、これに必要となるデバイスのニーズが高まりつつある。
また、携帯電話が全世界で人口普及率100%を超え、スマートフォンはAIの搭載で、データ創出インフラとしての位置づけが高まると予測。他に、スマートスピーカーの普及により、ヒューマンインタフェースの変革と、そうしたデバイスから得たデータ獲得の競争が激化すると見ている。
今後デバイス市場はAIの搭載が進み、データの創出とそのデータをAIにインプットするアプリケーションの利便性向上、デバイス市場のさらなる拡大というサイクルに入ると予測している。
ネットワーク市場では、大手携帯電話事業者の料金値下げにより、格安スマートフォンの伸びは緩やかになると予測する。一般家庭向け固定ブロードバンドの回線加入者数は、スマートフォンとのセット販売などにより、2018年度末3669万件から2024年度末3870万件への増加を予想。しかし、スマートフォンへの買い替え需要が落ち着くこと、買い替えサイクルの長期化により今後は微増傾向が続くとしている。
コンテンツ配信市場では、ゲーム市場での有料利用が拡大し、市場全体をけん引する。2024年度には、1兆5456億円の市場規模に達すると予測する。動画配信市場は、月額固定料金サービスの利用拡大により、2018年度1986億円から2024年には2300億円超を予測。今後は市場構造が変化し、放送、動画配信、コンテンツ作成市場が一体化すると見ている。
プラットフォーム市場は、効率化重視のIT投資に加え、今後は企業のビジネス価値向上を目的とした「ビジネスIT」への投資が市場をけん引する。クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)関連が市場を主導し、2024年にはそれぞれ約5兆円と7.5兆円超の市場へ大幅に成長する見込みだ。
xTech市場は、クラウドやIoTなど、最新技術を活用した新サービスなどによって形成される新市場。例えば、自動車関連サービスのAutoServiceTech市場では、法人型カーシェア市場が都市部から地方部へと展開し、2018年度3.3万台から2024年には8.9万台に達すると予測する。
FinTech分野では、FinTech企業と金融機関の連携による新サービスが登場。例えば、スマートレンディング市場は、2018年度約580億円から2024年には約4700億円まで成長すると予測。AIなどで自動的に投資運用するロボアドバイザー市場での運用総額も、約2700億円から約1兆7000億円まで成長すると予測している。
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