商用に近い「日本初」の環境で5G検証、ホンダのテストコースで:車載情報機器
ソフトバンクは2018年12月3日、本田技術研究所の北海道上川郡のテストコースに自動車で第5世代移動通信(5G)を活用するための検証環境を構築したと発表した。
ソフトバンクは2018年12月3日、本田技術研究所の北海道上川郡のテストコースに自動車で第5世代移動通信(5G)を活用するための検証環境を構築したと発表した。投資額は非公表。この環境では、車両に搭載した4K映像対応端末に高精細な映像を伝送することができる。具体的なユースケースは今後詰める。コネクテッドカーに特化した検証環境を設けるのは「世界初」(ソフトバンク)だという。
本田技術研究所のテストコースに実験基地局を設置し、3GPP規格に準拠した通信機器を使用して5Gネットワークを構築した。さらに、LTE通信の既存のインフラを利用しながら5G通信を行う「ノンスタンドアロン標準仕様」とすることで、商用環境に近い形で検証を行えるようにしている。
これまで、ソフトバンク含め通信キャリア各社が5Gの実証実験を行っているが、5Gのみを使う「スタンドアロン」の仕様が大半だった。ノンスタンドアロンで実証実験を行う場合でも、3GPP規格に準拠していないケースが多かった。ノンスタンドアロンかつ3GPP規格に準拠した屋外5Gネットワーク環境を構築するのは「日本初」(ソフトバンク)だとしている。
通信機器はノキアソリューションズ&ネットワークス製のものを使用する。ソフトバンクは2017年8月、5Gの商用サービスに向けてノキアと4.5GHz帯を使用した実証実験に関する契約を締結している。ソフトバンクと本田技術研究所は2017年11月から、5Gの共同研究の検討を開始しており、今回の5G検証環境の構築はその一環となる。
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