長距離通信と省電力を可能にするLoRaWAN対応マイコン:組み込み開発ニュース
Microchip Technologyは、32ビットマイクロコントローラー、LoRaWA対応トランシーバー、ソフトウェアスタックを統合したLoRa SiPファミリー「SAM R34/35」を発表した。LoRaを使ったリモートIoTノードの開発期間を短縮する。
Microchip Technologyは2018年11月14日、32ビットマイクロコントローラー(MCU)とLoRaWAN対応トランシーバー、ソフトウェアスタックを統合したLoRa SiP(System in Package)ファミリー「SAM R34」「SAM 35」を発表した。LoRaWANを使ったリモートIoT(モノのインターネット)ノードの開発期間短縮に貢献する。
低消費電力の「Arm Cortex-M0+」を内蔵し、スリープ電流を790nAに抑えた。これにより、アプリケーションの省電力化とバッテリーの長寿命化が可能になる。
周波数は862M〜1020MHzで、全世界のLoRaWAN接続に求められる帯域をカバーする。クラスA、クラスCエンドデバイスに加え、独自のポイントツーポイント接続をサポート。主なLoRaWANゲートウェイやネットワークプロバイダーとの相互運用性が実証済みのため、開発プロセスを短縮できる。
また、米国、カナダ、EUの認証を受けたATSAMR34-XPRO開発ボードを利用することで、各国の規制要件に容易に対応できる。
フラッシュメモリとSRAMの容量が異なる6種類を用意し、いずれも64ピン6×6mmのTFBGAパッケージで提供する。SAM R34シリーズは、USBインタフェースを搭載している。同社では、スマートシティーやスマート農業、サプライチェーンの荷物、車両の追跡など、小型で長距離通信と低消費電力を必要とするIoTアプリケーションでの用途を見込んでいる。
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