この記事は、2018年11月30日発行の「FA メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
“間”こそおいしいスマート工場
「現場、現物、現実」ではないのですが、工場取材にできる限り伺うようにしています。製造現場はサプライチェーンとエンジニアリングチェーンの交点とも言われていますが、製造現場を見ると各業界の悩みや課題などをリアルに感じることができるからです※)。
いろいろな工場を見せてもらって思うのは、日本の製造業の工場は、本当にレベルが高いということです。5Sが行き届いていて、何が起こっているのがすぐに分かるようになっていますし、動線を含めた動作基準なども明確化しており、非常に秩序立っています。その中でも毎回特に感銘を受けるのが、工場内で働く人たちの洗練された作業の動きです。アスリートにも通じるような無断のない動作は一種の機能美を感じさせるほどです。
こうした状況を見ると、多くの製造業で「つながる化やスマート工場化は本当に必要なのか」と考え込んでしまう状況も理解できなくはありません。スマート化を進めたからといっても、費用対効果に見合う形で、品質向上や効率性を高められるとは考えにくいと感じるからでしょう。
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