デンソーのCaaS/MaaS基盤は「デジタルツインとつながる」:ET2018
デンソーは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」において、2025年を目標に開発を進めているCaaS(Car as a Service)/MaaS(Mobility as a Service)基盤技術を展示した。
デンソーは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、2025年を目標に開発を進めているCaaS(Car as a Service)/MaaS(Mobility as a Service)基盤技術を展示した。
同社が出展したのは、主催者テーマパビリオンの「次世代モビリティ」になる。大手ティア1サプライヤーとして知られているデンソーだが、独自のプラットフォームを構築することでMaaS市場に参画しようとしている※)。「自動運転車の配車サービス、クルマのトランクを宅配ロッカーとして活用するサービス、クルマの空き時間を活用したライドシェアサービスなどを、サービサーに簡単に実現してもらうためのプラットフォームになる」(同社の説明員)という。
※)関連記事:デンソーも備える「モビリティのサービス化」、プラットフォームを準備中
ただし、デンソー自身は自動車メーカーではなくあくまでティア1サプライヤーだ。自動車を製造するとともに自動車も販売している自動車メーカーのようにMaaSプラットフォームを展開することは難しい。「基本的には、自動車メーカーのMaaSプラットフォームに組み込んでもらい、そのAPIの1つとして利用してもらうことになるだろう」(同説明員)。
同社のCaaS/MaaS基盤の特徴となるのが、自動車のさまざまな情報を収集するキーモジュール「Mobility IoT Core」と、現実世界から得られたさまざまな情報に基づいてクラウドやデータセンターに仮想世界を構築する「デジタルツイン」だ。
展示では、北米の公道実証実験に用いている試作開発版のMobility IoT Coreを披露した。また、デジタルツインについては、実在の自動車の機能を模擬するスマートフォンを用いて、デジタルツインと双方向で情報をやりとりできることを示した。
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