FDA認証の糖尿病性網膜症AI自動診断システムに関する独占契約を締結:医療機器ニュース
Topcon Healthcare SolutionsとIDx Technologiesは、IDx Technologiesが開発した糖尿病性網膜症AI自動診断システム「IDx-DR」に関する独占契約を締結した。手頃な価格でAI画像診断を提供することで、糖尿病性網膜症による失明の予防に取り組む。
トプコンは2018年10月23日、子会社のTopcon Healthcare SolutionsとIDx Technologiesが、IDx Technologiesが開発した糖尿病性網膜症AI(人工知能)自動診断システム「IDx-DR」に関する独占契約を締結したと発表した。
IDx-DRは、眼底画像から糖尿病性網膜症を即座に検出できるシステムだ。画像や結果の解釈を医師に依存しない自律型のAI診断システムとして、FDA(米食品医薬品局)が初めて認証した。
今回の契約に基づき、両社はアメリカでのIDx-DRの販売において、トプコン製フルオート眼底カメラ「TRC-NW400」(画角55度未満のフルオート眼底カメラに限る)を独占的に採用する。
IDx-DRは、TRC-NW400のトレーニングを受けたオペレーターが撮影した網膜のデジタル画像を独自のAIアルゴリズムで解析し、糖尿病性網膜症の陽性か陰性かを判断する。これまでの正しい診断結果の検出率は96%。IDx-DRがFDAに認証されたとで、AI自動診断システムがプライマリーケアの環境下で、専門医並みの診断が行えることが実証された。
今後、両社は誰もが手頃な価格で受診できるAI自動診断システムの普及を目指し、疾患の早期発見、治療、失明予防と眼の健康に貢献していくとしている。
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