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ウーバーが提供したい「最適な移動手段」、周辺事業の取り込み加速CEATEC 2018(2/2 ページ)

Uber Japan(以下、ウーバー)でモビリティ事業ゼネラルマネージャーを務めるトム・ホワイト氏は、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)のカンファレンスで、同社のビジョンと取り組みを紹介する講演を行った。

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日本のタクシー業界へのアプローチ

 ウーバーは日本で4年以上前から活動している。その中で2018年から力を入れているのが、タクシー業界との連携によるサービスの展開だ。

 日本には、毎年海外から多くの人がやってくる。そして、海外で浸透しているウーバーのサービスを日本でも使おうとアプリを起動する。しかし、これまでは実際に配車要求が出されることは少なかったという。原因は、まだ日本にウーバーを利用する環境が整っていないからだ。ホワイト氏は、昨年の3カ月間で40万もの人が来日したことに触れ、タクシー業界とパートナーシップを組み、この需要を満たすことに取り組んでいることを紹介した。

 ただ、日本のタクシー業界に特有の慣習や環境へ対応するため、ウーバーが海外で展開しているシステムを日本向けにカスタマイズする必要はあるようだ。日本のタクシーは、世界的にトップレベルのサービスを利用者に提供する。しかし、テクノロジーに対する投資はそれほど高くない現状がある。

 ウーバーのビジョンは、日本のタクシー運転手が持つ知恵や経験、サービスなどの優れた資産とウーバーのテクノロジーを組み合わせることによって実現する。ホワイト氏は、これによって車両の稼働効率を上げ、長期的にタクシー運転手の環境改善につながるとした。そして、タクシー業界との連携を実現するため、ウーバー CEOのダラ・コスロシャヒ氏が首相の安倍晋三氏や自動車や運輸などの業界の重鎮、政府の担当者と会うなど、積極的な活動を繰り広げていることを紹介した。

 普及に向けた具体的な動きとしては、淡路島で地元のタクシー会社12社とのパイロットプログラムがスタートしたことと、名古屋で350台規模のプロジェクトが実現したことがある。特に名古屋では600人ほどのドライバーがウーバーのアプリを使っているという。ホワイト氏は、これに関して「非常に興味深いプロセスで、多くを学んだ。非常に良い手応えを得ている」と語った。

 この他、講演では日本で急成長を見せる「ウーバーイーツ」についても触れた。ウーバーイーツは、好みのレストランの料理を配達パートナーが注文者に届けるフードデリバリーサービスだ。先日、日本への導入が2周年を迎え、大きなビジネスに育っているという。

 ホワイト氏は、ウーバーの新しいミッション・ステートメントを「We ignite opportunity by setting the world in motion.(世界を動かすためのチャンスに火をつける。その機動力になる)」と紹介する。ウーバーライドでもウーバーイーツでも、ウーバーのプラットフォームによって、利便性や新しい収益のチャンスを提供して行きたい考えだ。

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