電動航空機設計向けに電気設計ソリューションを導入:製造IT導入事例
図研の電気設計ソリューション「E3.series」を、電動パワートレインメーカーのElectroflightが導入した。E3.seriesは、電動航空機の設計、組み立て、テストから商用モデルの開発までのプロセスに活用される。
図研は2018年10月25日、同社の電気設計ソリューション「E3.series」を、電動パワートレインメーカーのElectroflightが導入したと発表した。
Electroflightは、ロールス・ロイスが主導する「Accelerating the Electrification of Flight(ACCEL)」プロジェクトに参加しており、2年以内に電動航空機の商用モデルを完成させる必要がある。同プロジェクトの開発タイムフレームは厳しく、スピードが求められていた。
今回Electroflightは、E3.seriesの使い勝手の良さや柔軟性、部品表を含むワイヤーハーネスの製造に必要なデータをすばやく出力できることなどを評価し、採用を決定した。Electroflightは、電動航空機の設計、組み立て、テストから商用モデルの開発までのプロセスにE3.seriesを活用する。
また、Electroflightでは、E3.seriesが持つ航空宇宙産業向けとモータースポーツ産業向けの2つの機能を生かし、電動航空機にモータースポーツ用のシステム25ミルスペックコネクターとハーネスを構成する際にも同ソリューションを用いる。
さらに、航空機の重量を抑えるためには、使用ケーブルが極力短くなるよう電源やスイッチ、可動部を最適に配置することが重要となるが、E3.seriesはCADツールと連携できることから、それらの機構を検討する際にも役立つ。
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