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ERP−PLM−CAD連携の「悲しい現実」を解決へ、図研が3レイヤー構造を提案Zuken Innovation World 2017

図研のユーザーイベント「Zuken Innovation World 2017 Yokohama」に、同社 常務取締役 EDA事業部長の仮屋和浩氏が登壇。EDAツールを含めたCADとPLM、ERPの連携は多数のカスタムインテグレーションによって構築される「悲しい現実」となっているのが実情だ。同氏は「図研はこの状況を、ERP、PLM、EDMの3レイヤー構造で解決したい」と提案した。

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図研の仮屋和浩氏
図研の仮屋和浩氏

 図研は、横浜市内において、ユーザーイベント「Zuken Innovation World 2017 Yokohama」(2017年10月18〜19日)を開催。2日目の10月19日は、図研 常務取締役 EDA事業部長の仮屋和浩氏が登壇し「図研EDA/PLMのビジョンとロードマップ」と題した講演を行った。

 仮屋氏は、同社のプリント基板回路設計ツール「CR-5000」「CR-8000」、ワイヤハーネス回路設計ツール「E3シリーズ」などの進化を紹介しつつ「これらEDAツールの設計データの管理についても、紙で出力したドキュメント、図面データ、ライブラリやアセンブリ構成、メカ系CADデータとの連携、そしてマルチドメイン、MBSE(Model-Based Systems Engineering)といった新しいニーズが取り入れられてきた」と語る。

 プリント基板回路設計とワイヤハーネス回路設計、双方の分野で高いシェアを持つ図研のEDAツールだが、その適用範囲も、半導体のモジュールやパッケージ基板の回路設計から複数のプリント基板で構成されるシステムの設計、さらにそれらをワイヤハーネスでつないだ大規模システムまで、適用範囲は拡大している。「もちろん、これらEDAツールの設計データは、きちんとPLMやERPなどと連携させる必要がある」(仮屋氏)。

 しかしながら、現時点において、EDAツールを含めたCADとPLM、ERPの連携は多数のカスタムインテグレーションによって構築される「悲しい現実」となっているのが実情だ。仮屋氏は「この現実に対して図研からは、ERP、PLM、EDM(Engineering Data Management)の3レイヤー構造による解決を提案したい」と強調する。

ERPとPLM、CAD連携の「悲しい現実」ERP、PLM、EDMの3レイヤー構造で解決 ERPとPLM、CADの連携では「悲しい現実」が待ち受けている(左)。図研はこの状況を、ERP、PLM、EDMの3レイヤー構造によって解決することを提案していく(右)(クリックで拡大) 出典:図研

 図研はこれまでプリント基板回路設計データを管理するEDMツールとして「DS-2」を展開してきた。2017年5月からは、このDS-2を発展拡大したEDMツール群の展開を開始している。まず、従来のDS-2に対応するプリント基板回路設計データに対応するEDMツールは名称を変更して「DS-CR」となる。そして、ワイヤハーネス回路設計データに対応するEDMツールとして、DS-2のエンジンをベースに新たに開発した「DS-E3」は既に販売されており「欧米で約10社が採用している」(仮屋氏)という。さらに2018年には、他社のプリント基板回路設計データに対応する“オープンEDA”ツールとなる「DS-OP」を投入する計画だ。これら3つの製品を包含したEDMプラットフォームをあらためて「DS-2」と呼称することとなった。

「DS-2」のプラットフォーム化と対応範囲の拡大
「DS-2」のプラットフォーム化と対応範囲の拡大(クリックで拡大) 出典:図研

 この他に仮屋氏は、新技術開発の状況についても触れた。中でも興味深いのが設計製造へのAI(人工知能)活用である。「プリント基板設計」「DRC(デザインルールチェック)の精度・有効性」「ナレッジの有効活用」といったテーマで検討を進めており、一部については「2018〜2019年にリリースできるかもしれない」(同氏)としている。

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