「作図のためのツール」から「製造支援」へ――電気制御設計で活躍する電気CAD:SCF2013(1/2 ページ)
“作図のためのツール”から、BOMや設計情報DBとの連携といった「統合型」へと進化する電気CAD。システムコントロールフェア(SCF)2013では、各社の電気CAD最新ソリューションが紹介されていた。
以前は、手書きから一歩進んで汎用の2次元CADやグラフィックスツールなどを利用する程度だった電気制御の設計現場でも、現在は専用の電気CADが普及し始めている。さらに近年のトレンドとしては、手書きを単に置き換えた“作図のためのCAD”から、BOMや設計情報DB、3次元CADとの連携といった「統合型の電気CAD」への注目が高まっている。システムコントロールフェア(SCF)2013では、各社の電気CAD最新ソリューションが紹介されていた。
3次元CAD連携を参考出展――ワコム
機械設計の世界と同様に電気設計の世界でも3Dへの要求が高まっている。電気設計専用CAD「ECAD dio」シリーズを展開するワコムのブースでは、参考出展としてECAD dioとミッドレンジ3次元CAD「IRONCAD」とのデータ連携ソリューションを紹介していた。
「ECAD dioからBOM情報をインポートすると、BOMにリストアップされた部品のみがライブラリという形で自動的に出力される。それをドラッグアンドドロップで簡単に配置していくことが可能。部品表に入っているものだけが表示されているので配置漏れがない。定位置への配置をチェックしたら、干渉のチェックなどが3次元CADで行える。今回のソリューションのリリース時期は未定」(担当者)。
その他、新設計エンジンを搭載したフラッグシップライン「ECAD dio DCX」やハーネス図と製品情報を統合するハイスペックライン「ECAD dio HARNESS+」、電気制御設計に特化したスタンダードライン「ECAD dio STANDARD」など同社主力製品の紹介が行われていた。
設計情報を1つのDBで統合管理――図研
図研は、産業機械向け電装・制御ケーブル設計ソリューションの「E3.series」を中心に訴求。設計情報を1つのデータベースで統合管理し、リアルタイムで複数種類の図面間での情報連携を実現できる利点などを訴えた。
E3.seriesは、プロジェクトにおける各設計情報を1つのデータで統合管理できることが特徴。総合結線図とケーブル仕様図の整合性確保、各種帳票類の自動出力などを得意とし、ケーブルや部材の発注ミスや装置組み付け時のトラブルを軽減するという。
図研 プリサイト事業部 マシナリービークル部 E3課 課長の黒田幸親氏は「メカと比較して電気系はIT化が遅れている分野。干渉確認や自動結線などでケーブルや部材のコストや在庫が大幅に低減でき、目に見える成果が得られる。実際に受注も大きく伸びている。IT化の利点を訴えていきたい」と話す。
SCFでは、これらの背景を踏まえ「未経験者でも製造できる?」や「仕事は段取り八分?」など身近な疑問をブースに貼り、それに答える形で、E3.seriesの利点を訴えた。
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