「作図のためのツール」から「製造支援」へ――電気制御設計で活躍する電気CAD:SCF2013(2/2 ページ)
“作図のためのツール”から、BOMや設計情報DBとの連携といった「統合型」へと進化する電気CAD。システムコントロールフェア(SCF)2013では、各社の電気CAD最新ソリューションが紹介されていた。
日本の電気CAD市場はドイツの1/10以下――システムメトリックス
システムメトリックスは、独EPLAN Software & Service(以下EPLAN)の統合電気CAD「EPLAN Electric P8」やハーネス設計システム「EPLAN ProD」制御盤筐体用3次元CADシステム「EPLAN ProPanel」などをブースで紹介していた。
30年間の歴史と全世界シェア60%の実績を持つEPLAN。展示の説明に当たっていたEPLAN テクニカルマネージャーの雨海真人氏は、ドイツと比べて日本の電気CAD市場が発展途上である点を強調する。
「本国ドイツの電気CAD市場は100億円といわれている。製造業の市場規模ではドイツと比べて1.5倍ほどの日本では、電気CADの潜在的な市場は150億円ぐらいあるのではとみられているが、実際には10億円ぐらい。今回の展示でも『電気CADを初めて見た』という来場者も少なくなかった」(雨海氏)。
EPLANでは、設計に必要な各メーカーの部品データが登録された「EPLAN Data Portal」が用意されている。海外では制御機器メーカー/部品サプライヤが部品のCADデータを積極的に登録しており、それが電気CADの利用促進にもつながっているという。その一方で「日本の制御機器メーカーは部品の登録数もまだ圧倒的に少ない」(雨海氏)ということからも日本の電気CAD市場が道半ばであることが見てとれる。
「日本の製造業の場合、分業になっていることが多く、生産システムをトータルで把握して効率化・コストダウンを考える人がなかなかいない。ただ、SCFのような展示会に来る現場の技術者から『こんな便利なものがある』とボトムアップで意見を上げてもらえれば、徐々に普及も進むのでは」(雨海氏)。
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